【日本ハム】水谷瞬、ハワイで人生変えた一品と再会 昨年極限状態での手作りに涙、やる気再点火
日本ハム水谷瞬外野手(23)が、思い出深い一品にハングリー精神を再燃させた。米ハワイでの10日間に及ぶ単身自主トレを終え、29日は千葉・鎌ケ谷でティー打撃などを行った。2年連続の異国で転機の「豚汁」と再会していた。「懐かしの味。もう1回自分を奮い立たせてくれる味」と、忘れられない一杯を飲み干した。
出会いは1軍出場なしで迎えた24年1月。日本ハム移籍が決まり、当時年俸が推定560万円の水谷は、150万円以上をかけハワイに17泊した。金銭面から朝食はコーンフレーク、昼食は2、3品だけの「5ドル弁当」、夕食はフードコート。「食べても、おなかが鳴っていた」と、プロとは思えないほどの極限状態だった。
そんなある日、現地の知人が豚汁を作ってくれた。温かい手作りに「ごはんを食べて涙が出たのは経験したことがなかった。ここから1年頑張ろうという気持ちにさせてもらえた」。その後のシーズンでは1軍で97試合に出場。交流戦MVPにオールスター出場とブレークを果たした。
原点の味に気持ちを再び奮い立たせ、狙うは「大航海」の完結だ。新庄監督からはDMで「打って走ってくれればレギュラーに1歩近づく。守備は期待してない!」とカツを入れられ、水谷は「『熱盛』か『パテレ』に10回は守備で取り上げられます」とユーモアを交えて返信。「5位とかじゃ、『新庄剛志』っていうストーリーに合ってない。みんなでいい景色を見たい」と、20本塁打と20盗塁の「20-20」を達成し、まだ見ぬ絶景に向かう。【黒須亮】