【データが語る】ロングスローJ全カテゴリーで増加の中、昨季J2で唯一ゼロの清水がJ1へ
Jリーグは2024年シーズンをデータで振り返り、話題となったロングスローがJ1、J2、J3の全カテゴリーで増加したとするリポートを発表した。
J1は年間の試合数が306試合から380試合に増えたとはいえ、23年シーズンの90回から3倍以上となる296回に激増。その約半数の145回がFC町田ゼルビアで、全体の49・0%を占めた。優勝したヴィッセル神戸が10・1%、柏レイソルが9・1%で続いた。
ロングスローを武器とする町田がJ1に昇格したJ2。その数は減っているかと思われたが、逆に444回から611回に増加。年間の試合数が462試合から380試合に減少したにもかかわらず、その数を大きく増やした。
23年と24年をJ2で戦った17チームのうち、15チームが1試合平均で増加。町田の成功例からか、ロングスローを取り入れるチームが増え、Jリーグは「FC町田ゼルビアの影響があるのかもしれない」とした。
そんな中でも、清水エスパルスとV・ファーレン長崎の2チームは減少。清水に限れば、1度もロングスローを使わなかったという。ここで言うロングスローとは「スローインのうち、相手陣ペナルティーエリアの中央(ゴールライン延長線上の四角形)にノーバウンドで到達したスローイン」と定義している。
清水といえば、1993年のJリーグ開幕当初にDF平岡宏章がロングスローの名手として注目を集めたが、昨季は秋葉忠宏監督の下、その戦術を採用することなく、J1復帰を決めた。ボールアウトから再開するまで時間をかけなかったこともあって、アクチュアルプレーイングタイム(実際のプレー時間)はJ2最長の54・7分だった。【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)