【センバツ】大院大高が約1世紀ぶりの大阪代表ゼロ阻止へ、29年ぶり春の聖地切符の吉報待つ
約1世紀ぶりの大阪代表ゼロ阻止なるか-。第97回選抜高校野球大会(3月18日開幕・甲子園)の出場32校を決める選考委員会が24日、大阪市内で開催される。昨秋の近畿大会では大院大高が大阪勢で唯一の8強入り。同じく8強の滋賀短大付と近畿6枠目を争う。大阪勢が出場なしとなれば、1927年(昭2)の第4回大会以来98年ぶり。ナインは23日、29年ぶりの春の聖地切符を信じ、吹田市内の同校で練習に励んだ。
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センバツ出場校の発表前日。大院大高ナインは吉報を信じ、吹田市のグラウンドで汗を流した。阪神などでNPB通算206勝を挙げたレジェンド江夏豊氏(76走野球評論家)の母校。大阪勢が97年連続センバツに出れるかどうかは、大院大高にかかっている。辻盛英一監督(48)から本音が漏れた。「選ばれなかったらさみしいな…」。
秋の大阪は1位履正社、2位大阪桐蔭、3位大院大高。だが、上位2強は近畿大会初戦で敗退する一方で、初戦で北稜(京都)を1-0完封で破った大院大高がベスト8に進出した。辻盛監督は「すっごい運を持ってるなと思います」と正直だ。
それでもあと1勝届かず、センバツ出場を決め切れなかった。大一番の準々決勝で東洋大姫路(兵庫)に0-4。プロ注目の最速147キロ右腕、阪下蓮投手(2年)に6安打完封された。「言うても大阪は3位。近畿はエイト(8強)。夏に(大阪で)優勝して(甲子園に)行ったら、ええねん」。最悪の選考漏れも覚悟するほど、履正社に勝った滋賀短大付と争う近畿6校目は大激戦の様相だ。
ナインは阪下に完敗したパワー不足を胸に、今オフは打撃強化に取り組む。毎日2時間、ハードなウエートトレーニングでパワーアップに励み、吉報を信じてやまない。正捕手の樋爪信(といづめ・しん、1年)は「選ばれないと思ったら選ばれなくなる。選ばれると思って」とプラス思考。正遊撃手の鶴丸巧磨(たくま)内野手(1年)も「選ばれたら、普段の行動がよかったのかな」と自分たちを信じている。
春の聖地出場が決まれば29年ぶり2度目。当時は江夏氏もアルプス席に駆けつけ、声援を送った。大院大高がトリでとなり、98年ぶりの大阪出場校0は回避できるか。いよいよ運命の1日を迎える。【中島麗】
◆大院大高 1959年(昭34)に関西経済学院商業高校として開校。63年から現校名。普通科のみ全校生徒1699人(うち女子604人)。野球部は60年4月に創部。部員は72人。主な卒業生に江夏豊氏(元阪神、広島)ら。所在地は大阪府吹田市岸部南2の6の1。角田聡校長。