自主トレを公開し、ピザをほお張るソフトバンク山川(撮影・前田充)

キャリアハイでスピード記録達成だ! ソフトバンク山川穂高内野手(33)が20日、沖縄・嘉手納町で自主トレを公開した。自動車を押すトレーニングなどで汗を流し、18年にマークした自己最多47本塁打超えを誓った。通算300号まであと48本に迫り、今季中の到達なら田淵幸一氏の日本人最速記録を更新する可能性もある。2年連続セ・パ両リーグ最多本塁打は大前提の目標。タカの主砲が25年もアーチを量産する。

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“今どき”ではない光景だった。気温は18度。ぽかぽか陽気の沖縄で、山川はどすこいと言わんばかりに“ぶつかり稽古”を始めた。「原始的な…。最新から一番かけ離れた練習をしようっていうのをテーマに」。ニュートラル状態で運転手を乗せた乗用車に全体重、全筋力をかける。重さは約1トン。歯を食いしばり、上り坂で5人乗りコンパクトカーを約30メートル押した。「1回の練習で何十カ所も鍛えられるのが僕はいいと思うので」。トレーニングウエアはびっしり汗でにじんでいた。

高みを見据える。今季の目標を問われると、表情を引き締め「数字はやっぱりキャリアハイ」と高らかに宣言した。なかでも「生きざまみたいなもの」と表現する本塁打数にはこだわる。西武時代の18年にマークした47本塁打が自己最多。「それ以上は打ちたいと、毎年思っている」。昨季は6月こそ0本塁打だったが、7月以降は計22発と量産した。コンスタントに打ち続ければ大台50発も夢ではない。

スピード記録もかかる。通算300号まで、残り48本。今季中の到達なら、キャリアハイとともに田淵氏の持つ日本人最速記録を更新する可能性もある。「最速だったらいきたいですね」と本音を漏らす。ただし、大前提としての目標も忘れない。

「その年の日本の中で1番になることが絶対目標」

昨季は全試合4番に座り、両リーグトップ34本塁打を放った。「(ヤクルト)村上、(巨人)岡本とか日本を代表する人たちに勝った。俺が日本で一番ホームランを打つのが上手だった年。誇りに思いますし、名誉なことなので。48本を打っても、誰かが50本打てば負けになる」。2年連続の両リーグ最多本塁打は譲れない。主砲のプライドを胸に、25年もアーチスト山川であり続ける。【佐藤究】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ソフトバンク】山川穂高の「生きざま」自己最多47発超え狙う 田淵氏抜く日本人最速300号射程