ティー打撃をするヤクルト村上(撮影・上田悠太)

究極の勝利至上主義で村神様が日本ラストイヤーを飾る。ヤクルト村上宗隆内野手(24)が宮崎・日向市内で自主トレを公開した。今オフにポスティングシステムでのメジャー挑戦を明言している主砲。個人の目標は設定せず、チームの勝利だけを求めてフォア・ザ・チームの精神で1年を戦い抜く。昨年12月に手術した右肘も、順調に回復のステップを踏む。最高の結果を導き、チームに恩返しする。

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メジャー挑戦前の最後のシーズンへ、勝つことだけにベクトルを向けた。村上は“ラストイヤー”を迎える胸中をストレートに打ち明けた。「個人的な数字は全くない。自分に矢印を向けるのではなく、しっかりチームのために向けて、やることが僕の今の一番大事なこと」と言った。チームの白星を最重要のぶれない軸とし、個人の結果にこだわらない意識を強調した。

チームは2年連続の5位に甘んじた。自身も3冠王に輝き、リーグ連覇に導いた22年と比べれば、物足りない数字が続いた。結果に向き合う中で、1つの結論に行き着いた。「反省点として自分本位になってしまっていた部分があった。(3年前と)何が違ったかと思うと、チームにかける思いだったり、ファンの皆さんへの立ち振る舞いだったりで少し気が抜けていた」と振り返る。初心に返るとは少し違う。「失敗した中でどう成長するか。見つけていく中の過程なので進歩してる」と続けた。

昨年12月に受けた右肘関節鏡視下クリーニング手術からは順調な回復ぶりを示した。室内フリー打撃では中堅中心に鋭く飛ばした。キャッチボールは50メートルまで距離を伸ばす。「1カ月をかけて徐々に遠投まで戻して行こうという形で段階を踏んでやれている」とイメージ通りのリハビリ経過を歩む。

3年ぶりのリーグ奪回は、主砲の活躍が不可欠だ。今季から解禁となった牛骨で硬く表面を加工したバットを試打し、最高の1本も模索している。「今の自分があるのも、このチームのおかげ。最終的に恩返しができるシーズンになれば」と村上。日本でのラストシーズンは、チームの勝利と恩返しを念頭にプレーする。【上田悠太】

○…村上がドジャース入団が決まった佐々木にエールを送った。25歳未満の国際アマチュアFA枠によりマイナー契約でメジャー挑戦する右腕に「あの若さでアメリカに渡って1人で戦う選手に対して、僕はすごくリスペクトを持ってますし、すごい決断だと思います。若い野球選手が日本を出て、海外で活躍することですごく刺激を受けます。僕も頑張りますが、もちろん彼にも頑張ってほしいです」と思いを語った。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ヤクルト】村上宗隆、日本ラストイヤーは「恩返し」勝利至上主義「個人的な数字全くない」