【阪神】森下翔太が山川イズム注入で本塁打王宣言「間違いじゃなかった」中堅弾増加でアーチ量産
山川イズムで本塁打王だ! 阪神森下翔太外野手(24)が18日、沖縄の「バイトするならエントリー宜野座スタジアム」で自主トレを公開した。1月途中から春季キャンプ地で鍛錬を続ける中、1日だけソフトバンク山川穂高内野手(33)の久米島自主トレに参加。アーチストの極意を吸収して刺激を受け、力強く本塁打王宣言した。4番を期待される若虎が、1発量産で86年バース以来、球団39年ぶりの本塁打王を狙う。
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「くそ!」「よっしゃぁ!」。快音もろとも、あふれる気合がほとばしる。温暖で穏やかな時間が流れる沖縄の空気とは対照的に、森下の表情は真剣そのものだった。体の動きをひとつひとつ確認しながら、渾身(こんしん)のフルスイング。がむしゃらにバットを振り込んだ。
「狙いたいですね。ホームランは魅力的だし、打てる打者が1人いるだけでチームとして強い。その中で打率も残していきたい」
力強い本塁打王宣言。目指す道が明確になる転機があった。1月途中から沖縄で自主トレを続ける中、久米島に渡り、ソフトバンク山川の自主トレに1日だけ弟子入りする機会があった。「日本を代表する右バッター。見て学ぶというより言葉で学びたいなと行きました」。昨季も含め4度本塁打王を獲得した球界を屈指のアーチスト。同じ右打者としても憧れるコラボは、中日上林の紹介などで実現した。一言一句を吸収しながら感じたのは、強烈な1発へのこだわりだった。
「ホームランを打つことに全部を持っていっていると言っていた。そこまで振り切っていると思っていなかったけど、本当にホームランバッターのイメージ」
今オフ、森下は「中堅方向の打球の質」を上げることに取り組んでいる。「レフトに100%伝わっているとしたら、センター方向は50、40%くらいの力の伝わり方だった」。打撃談議を重ねる中、山川も同じく中堅方向を強く意識していることが分かった。取り組みが間違っていないことを確認し背中を押された。「同じ意識でやっていた。やっていたことは間違いじゃなかったと感じました」。
昨季、森下が放った本塁打は16本。うち15本が左翼から左中間方向、中堅は1本だけだった。より強く中堅を意識することで、本塁打の量産が期待できる。今季の目標は「3割30本100打点」ときっぱり。30本のうち、中堅方向は15本以上と理想を掲げた。「レフトに打っていた打球をより確実にホームランにするためにも、そういう意識が大切」。藤川監督からも新4番候補に挙げられる24歳。持ち前の勝負強さを発揮しつつ、アーチストへの変貌を狙う。【波部俊之介】