【ソフトバンク】中村晃「体力は落ちても技術は進歩する」打撃職人がさらに「打撃を極める」
打撃職人と呼ばれる男がプロ18年目の今季、さらに「打撃を極める」。ソフトバンク中村晃外野手(35)が18日、福岡市東区の福工大FITスタジアムで自主トレを公開。約4時間の半分を打撃練習に費やした。「今年はいい感じで打撃ができていると思いますよ」。昨年は自主トレ中に腰を痛め、納得のいく打撃練習がかなわなかった。今年の自主トレでは体調面の不安もなくバットを振り続けており、充実感が漂う。
25年型の打撃スタイルを模索し、すでに新フォーム固めにも入った。すり足だった昨年から変更し、右足を上げる打撃フォームで快音を響かせている。一昨年まで一塁手として4年連続でゴールデングラブ賞を獲得。堂々のレギュラー格だったが、小久保ホークスとなって大きく立場は変わった。この日、小久保監督は中村晃について「代打の神様になってもらいたい」と大きな期待を寄せた。本人も役割を全うする覚悟だ。
「代打でもスタメンでも自分の打撃、技術をしっかり極めていきたい。どちらでもやることは一緒かなと思う」。代打の切り札としての起用が多かった昨季は101試合出場で40安打、打率2割2分1厘。1打席に懸ける集中力や準備に腐心した1年だった。「(打席へ向けた)準備の仕方は去年でしっかり勉強できた。あとは打つか打たないか。腹をくくってやりたい。体力は落ちても技術は進歩すると思うので」と口元を引き締めた。
区切りの数字も目前だ。通算1500安打へ残り73本。「入団した時は2000という数字を目標にしてきた。自分の中ではだいぶ時間がかかっているという印象だが、目の前に節目の記録があるので、今年はそこを目指してやっていきたい」。中村は視線の先に、まだまだ大きな目標を据えている。【佐竹英治】