けがに泣いた仙台商・石橋悠「このままでは終われない」BCリーグ福島で持ち味の直球アピール
宮城の高校球児3選手が独立リーグへと羽ばたく。仙台商・石橋悠投手と小牛田農林・佐々木玄内野手はルートインBCリーグの福島レッドホープスへ、柴田・藤田大和投手(いずれも3年)は四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスに入団する。新天地での成長、活躍を誓い、3選手とも『NPB入り』という目標に向かい歩んでいく。
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持ち味のストレートと強い気持ちを武器に、石橋は夢への道を切り開く。高校野球生活はけがに泣いた2年半だった。ここぞという時の肩や脚の負傷。最後の夏の大会間近の5月にも、肩の炎症に見舞われた。「(最後も)だめなんだな…」と頭をよぎったが、決して諦めず、外野手として練習に励んだ。準決勝の聖和学園戦。7回に代走で出場し、本塁生還の活躍を見せたがチームは敗戦。「試合に出られたのはうれしかったけど、マウンドで投げたかった」と悔しさは残った。
「このままでは終われない」。絶えないけがにも、野球から距離を置く事は一切考えず、まだ歩みを止めない。進路を熟考した際、父から「こういう道もある」と提案され、独立リーグにチャレンジする気持ちを固めた。昨年8月には福島レッドホープスの試合を観戦。「雰囲気がいい」と心を躍らせた。同年11月、独立リーグのトライアウトを受験。合否発表当日、見つけた自身の名前に「自信はあったけど不安もあった。安心した」と喜びよりも安堵(あんど)が上回った。
2月からのチーム合流、3月からのキャンプインに備えて、現在は強い身体づくりに励んでいる。「本当はボールに慣れなければいけないんですけど…」。肩が完治するまでは投球を控え、ウエートや体幹トレーニングに多くの時間を充てている。昨年6月に66キロだった体重は74キロまで増加。投球再開後、球威の増した直球を披露するつもりだ。
独立リーグは支配下と練習生の入れ替わりが激しい世界。結果を残し続けられるかが生き残りのカギとなる。いよいよ始まるルーキーイヤーへ向けて「1年間通してけがなく、常にしっかりアピールしていきたい」。強い気持ちで成長を続けていく。【高橋香奈】
◆石橋悠(いしばし・ゆう)2006年(平18)9月5日生まれ、宮城県仙台市出身。9歳から泉ケ岳エンゼルスで野球を始め、館中では軟式野球部でプレー。仙台商では外野手、投手として2年秋からベンチ入り。180センチ、74キロ。右投げ右打ち。好きな言葉は「唯一無二」。好きな有名人は川崎鷹也。好きな食べ物はラーメン。