【野球殿堂】イチロー氏「初めて命について考えさせられた時間」明日30年の阪神淡路大震災語る
日本の野球殿堂博物館は16日、今年の殿堂入りメンバーを発表し、日米通算4367安打のイチロー氏(51=マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)が選ばれた。有効投票349票中323票を獲得で、投票率は史上6位の92・6%。史上初の満票は逃したが、資格1年目での殿堂入りは18年松井秀喜氏、金本知憲氏以来、7年ぶり7人目となった。イチロー氏は上下濃紺のスーツで通知式に出席した。
95年1月17日に発災した阪神淡路大震災は、17日に30年を迎える。
スピーチでは「最後になりますが」と自ら切り出した。
「明日で阪神・淡路大震災から30年がたちます。当時、僕は21歳ですね、オリックスの寮で、あの時は眠ってたんですけれども、初めて命の危機というか、『自分はこれで死んじゃうのかもしれない』と。寮があったエリアはそんなに大きな被害はなかったわけですけども、それでも初めて命について考えさせられた時間でした。こういうことはなかなか経験してない人たちに伝えていくという大変難しいことなわけですけれど。一被災者として経験した思いというのを、経験しなかった子供たちに伝えていけたらなという風に思っています」と語った。
「そして、神戸は僕にとって今も特別な場所です。オフにはたまに神戸にいることもあるんですけれども、これからも自分なりに進んでいく姿が、誰かのきっかけになったり支えになって、そんな風になれたらいいなという風に思っています。これからも自分が動けなくなるまで野球に携わって、なんとかですね、日本野球の力になりたいと考えてます。本日はありがとうございました」と締めくくった。