王貞治氏(2024年11月20日撮影)

世界のホームラン王から、世界一のヒットメーカーへ。ソフトバンク球団会長の王貞治氏(84)が、球界を代表するレジェンドの殿堂入りを祝福した。

野球殿堂博物館は16日、今年の殿堂入りメンバーを発表。引退後5年経過したプロ野球選手が対象の「プレーヤー部門」は、オリックス、マリナーズなどで日米通算4367安打、現在はマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(51)が選ばれ、王氏が通知式でスピーチ。「待ちに待ったイチロー君の殿堂入り」と称賛した。

オリックスでイチロー氏がプレーしていた際に、王氏はダイエーの指揮を執っていた。ライバル球団の中心選手と監督。そんな間柄だった2人の人生が交錯したのが、06年の第1回のWBCだった。

王氏が代表監督を務め、イチロー氏はチームの中心選手として活躍。大会初代王者に輝き、日本野球の国際的地位を高める契機となった。その後も親交は今なお続き、互いの打撃哲学や勝負に挑む心構えなどを共有。尊敬を寄せるイチロー氏の殿堂入りに「たしかに規則は規則ですが、イチロー君の場合は(引退から)5年も待たなくてよかったんじゃないかと。そういった意味では待ちに待った。これは私の言葉だけではなく、日本中、アメリカでイチロー君のプレー見たファンの人も今日はすごく喜んでくれてるんじゃないかと思う」とほめたたえた。

◆王貞治(おう・さだはる)1940年(昭15)5月20日、東京都生まれ。早実から59年に巨人入団。62年から13年連続本塁打王、73、74年に3冠王を獲得。756本塁打の世界記録を樹立した77年に、初の国民栄誉賞に。80年の引退まで868本塁打を打ち、本塁打王15度、打点王13度、MVP9度、ベストナイン18度。巨人、ダイエー、ソフトバンクで19年監督を務め、リーグV4度、日本一2度。06年WBCでは日本代表監督として初優勝。現役時代は177センチ、79キロ。左投げ左打ち。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【野球殿堂】王貞治氏、イチロー氏祝福「5年も待たなくて良かった」06年WBC世界一