練習試合を終え、笑顔を見せる札幌岩政監督(撮影・保坂果那)

北海道コンサドーレ札幌は15日、沖縄・金武町で沖縄県リーグ1部FCセリオーレとの練習試合(30分×3)を行い、1-0、4-0、6-0の計11-0で完封勝利した。今季就任の岩政大樹監督(42)にとって初の実戦では、パスでの崩し、サイドチェンジ、ポケットを意識した攻撃など、“岩政スタイル”の片りんを見せた。

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今季初実戦は、ゴールネットが揺れること11度。8日から積み重ねた練習の成果を発揮し、岩政監督は「チームのコンセプトの枠がかなり浸透してきた」と充実した表情を浮かべた。

指揮官が「無意識だった」と、思わずベンチから「オーレ!」(スペイン語で見事)と声を上げた攻撃は2本目10分、FW白井陽斗(25)のゴール。MF青木亮太(28)→MF長谷川竜也(30)とワンタッチパスでつなぎ、右足で決めた。昨季は少なかった左右へのサイドチェンジも、90分間通じて多かった。

また練習で何度も登場しているワード「ポケット」も攻撃のテーマの1つ。ペナルティーエリア内ゴール脇のあたりを指す言葉だが、1ゴール1アシストの青木は「みんな意識してポケットに持っていけるシーンはあった」とうなずいた。

3本で札幌U-18から練習参加する3選手を含めた30選手が出場した。1、2本目で左サイドのDFパク・ミンギュ(29)と中村桐耶(24)の位置を入れ替えるなど、ポジションもスタメンも見極め中。指揮官は「ピッチ上で違いを見せた選手がピッチに立つというだけの話。今日は全ての選手と言っていいほど、それぞれが特徴を出していた」と競争を促す。

沖縄キャンプ中あと3試合の練習試合で、さらなる戦術の落とし込みを図る。「計画を崩さなきゃいけないものは見つからなかったので、このまま進めていこうかな」と、J1昇格を果たすためのチームづくりは順調だ。【保坂果那】

○…2季ぶりに札幌に復帰したFW中島大嘉(22)がハットトリックを達成した。3本目に2トップで出場。開始2分、ファーストタッチのヘディング弾を決めると、20分にはペナルティーエリア左から体勢を崩しながら右足で押し込み、23分には再び頭。チーム最多3得点に「(岩政)大樹さんも『決めてる選手は使わざるを得ない』って面談で言っていた。とりあえず初戦でそれを見せられた」と、アピールした。

○…今季“チーム1号”を決めたのは高卒2年目のFW出間思努(19)だった。1本目に2トップとして出場。試合中はポジショニングの修正を促す「シド!」の声がベンチやピッチ内で何度も出たが、終了間際の30分。トップ下のMF田中克幸(22)からのパスに右足を振り抜いた。「ずっとゴールを狙っていた。良かった」と笑顔を見せた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【札幌】今季初実戦は11―0快勝 新監督「岩政スタイル」の片鱗見えた