寒行前、今年の抱負を板に記す今宮(撮影・梅根麻紀)

ソフトバンク今宮健太内野手(33)が恒例の寒行(かんぎょう)自主トレを行い、改めて開幕の遊撃レギュラーを誓った。14日の深夜に実兄が住職を務める大分市内の「不動尊霊山 一心寺」を訪問。水温5度の川に漬かり、冷水を自らの体に浴びせて心身を清めた。護摩だきした護摩木には「無心」などと記し、煩悩を振り払って16年目のシーズンを迎える。

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寒さを感じる暇もなく、今宮は無心に冷水を浴び続けた。「『今年もやったるぞー』っていう気持ちで(手を)止めることなく水をかけた。気持ちを表してこの寒行はやっていきたいとずっと思っているので」。ふんどし一丁で気温、水温ともに5度の川へ。経を唱える時間も含め、約15分間没頭した。恒例行事を終え「1年の始まりだなって感じる。明日から頑張ろうかな」と心身を清めた。

14日の深夜、実兄が住職を務める大分市内の「不動尊霊山 一心寺」へ。兄の粋な計らいで、今宮自身も「初めて」と言う護摩だきも行った。メラメラと燃え盛る炎を前に、川で荒行。成就することを祈願して燃やす護摩木には「ケガなく一年、無心に!!」(原文)と記した。

「いろいろな競争があったり、新しい選手が入ってきたりする中で比べられる。そういうことにとらわれず、自分のやれることだけを考えてやっていきたいなという思いです」

昨季も正遊撃手として133試合に出場し、打率2割6分2厘、6本塁打、39打点。ベストナインを獲得してリーグ優勝にも貢献したが「昨年あたりから1年1年が本当に勝負の年になるとずっと思ってました。ここから先はずっとそれかなって思ってます」。球界を代表する名手は1ミリの慢心もなく「開幕戦に出られるようにっていうところだけを考えています」。あらゆる煩悩を振り払い、3月28日のロッテ戦だけを見据えた。

極寒の中、修行を終えると、風呂につかってリラックス。風呂上がりは「爽快」という。「あとはしっかり野球で結果を残すしかない。結果が一番大事な世界なんでね。頑張りたいと思います」。16年目を迎える今季も、遊撃レギュラーを守り抜く。【只松憲】

◆不動尊霊山一心寺 今宮の実兄、年男さん(42)が3代目住職を務めるお寺。1963年4月に建立された。樹木葬や納骨堂なども完備され、八重桜の名所として全国的にも有名。本堂には約1250年前の作と言われる不動尊のほか、2体の国宝級の仏像を安置。大分県大分市廻栖野(めぐすの)1305番地。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ソフトバンク】今宮健太「やったるぞー」ふんどし一丁で水温5度の川へ15分間 恒例寒行トレ