阪神と契約合意に達したドミニカ共和国ティグレス・デル・リセイのラモン・ヘルナンデス(ロイター)

阪神が新外国人として獲得に乗り出していたラモン・ヘルナンデス内野手(28)と単年契約で合意したことが25日、分かった。嶌村聡球団本部長(57)が西宮市内の球団事務所で明かした。今季メキシカンリーグでプレーし、身長193センチ、体重102キロの体格を生かしたパワフルな打撃が魅力。内外野の複数ポジションを守った経験もあり、佐藤輝、前川ら主力を脅かす存在になりそうだ。

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嶌村球団本部長は早速、新助っ人加入による競争激化を促した。

「長打力があって動ける。日本に来て経験も必要ですけど、そこで競争下においてやってもらえれば」

メジャー経験はないが、193センチ、102キロの体格を武器にした長打力が何よりの魅力。直近の3年間はメキシカンリーグでプレーし、22年には球宴にも選出されている。守備位置は一、三塁がメイン。過去には右翼、左翼を守った経験もある。球団本部長は「レフト争い、サード争いかもしれないし。そう言った形で魅力のある選手ですよね」と表現。今季左翼で台頭した前川どころか、三塁レギュラー佐藤輝とのポジション争いまでイメージしているようだ。

ヘルナンデス自身は強いハングリー精神で海を渡る。嶌村球団本部長は「彼からしたらメジャー経験がないので、日本で何とか成功したいという思いが強い。本当に真摯(しんし)に取り組む真面目な選手と聞いている」と紹介した。

14年にダイヤモンドバックス傘下でデビューし、19年までマイナーリーグでプレーしてきた苦労人。今季はメキシカンリーグで打率3割1分3厘、22本塁打と結果を残し、日本行きのチケットを手に入れた。球団本部長は「メキシカンリーグってそこそこのレベルですから。そこに3年間いて今年は良い成績を残した。競争に打ち勝って試合に出て欲しい」と高い期待値を隠さない。

藤川監督は新助っ人野手について「主軸で出るような選手は取らない」と方針を説明していた。とはいえ、カリブの大砲が主力の座を脅かせば、チーム力の底上げになるのは間違いない。長打力抜群の新助っ人が来季レギュラー争いの台風の目になるか。来年2月の沖縄キャンプが早くも待ち遠しい。【山崎健太】

◆ラモン・ヘルナンデス 1996年3月2日生まれ。ドミニカ共和国サントドミンゴ出身。14年にダイヤモンドバックス傘下でデビュー。19年には米国キャリア最高の2Aに昇格し、同傘下のジャクソンで98試合出場、打率2割3分6厘、11本塁打、44打点。マイナーリーグ6年間では通算打率2割6分6厘、53本塁打、270打点。メジャー経験はない。22年からメキシカンリーグに所属し、同年球宴ではホームランダービーにも出場。今季はモンクロバ所属で82試合出場、打率3割1分3厘、22本塁打、71打点。。193センチ、102キロ、右投げ右打ち。

◆阪神の来季外国人 育成を含めて歴代最多9人になる見込み。支配下は5人で野手は新加入が決まったヘルナンデスだけ。投手は先発ビーズリーと救援投手のゲラが残留。発表済みの中継ぎ候補の最速158キロ右腕ニック・ネルソン(29=前フィリーズ)に加え、先発候補ジョン・デュプランティアー(30=前ブルワーズ)と契約間近。育成は来季が2年目のベタンセス、マルティネスの両投手。秋季キャンプにも参加した内野手のアルナエスに加え、今月ドミニカ共和国で実施したトライアウトで外野手1人との契約を決めた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】新外国人ヘルナンデスと契約合意「レフト、サード争いを」佐藤輝明、前川右京と競争期待