阪神近本光司(2024年10月8日)

<データで見る2024ペナント・阪神(セ2位74勝63敗6分)>

プロ野球の快記録や珍しい記録からシーズンを振り返る連載「データで見る24年」。全13回で、プロ野球を球団別に12回、最終回は日本人大リーガーを記録から分析します。第10回は阪神。

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近本が3年連続5度目の盗塁王に輝いた。盗塁王の回数は福本(阪急)の13度が最多で、5度以上は史上5人目。セ・リーグでは6度の柴田(巨人)に次ぎ、赤星(阪神)に並ぶ2位タイ。来季はセ・リーグ記録に挑む。入団してから常連なのは最多盗塁だけでなく、ベストナイン、ゴールデングラブ賞もそろって4年連続4度目の受賞。プロ入り6年で4度以上のベストナインは28人目、ゴールデングラブ賞は19人目になるが、両方とも4度以上は近本で6人目。外野手ではイチロー(オリックス)青木(ヤクルト)以来の快挙だった。

今季の近本は左腕からよく打った。対左投手は181打数70安打の打率3割8分7厘。昨季も3割1分1厘と左打者ながら左腕を苦にしない選手だが、今季は昨季を大きく上回り4割に迫る高打率。カード別でみても左投手からは満遍なく3割以上で、東(DeNA)に3割1分6厘、床田(広島)に4割、小笠原(中日)に4割1分7厘など主力の左腕も攻略した。他選手と比べてもサンタナ(ヤクルト)の3割6分を抑え、両リーグ1位だった。

左投手に強い左打者は珍しい。2リーグ制後、左投手とシーズン100打席以上対戦した左打者の打率を見ると、近本は9位にランクイン。上位には4割超えのイチローや、3割9分以上を2度も記録している青木などが名を連ねる中、堂々の10傑入りを果たした。一方で、対右投手は打率2割3分6厘とキャリアで最も低い数字に。左腕に高打率のランキング上位選手で、シーズン打率2割台は近本だけだった。21年には左右のどちらからも3割以上をマークしたこともあるだけに、来季は右投手攻略といきたい。【多田周平】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【データで見る】もうええでしょう…近本光司の「対左」高打率は確認せんでも周知の事実