菅野智之「アメリカでも勝負していける自信」満36歳シーズンで先発デビューなら日本人最高齢
巨人から海外FAでオリオールズに1年1300万ドル(約19億5000万円)で移籍した菅野智之投手(35)が19日(日本時間20日)、オンラインで入団会見を行い、投手陣の充実ぶりとワールドシリーズ優勝への熱意が決め手だったと語った。背番号は未定。満36歳シーズンでメジャーデビューすると、日本人史上5位タイの高齢で、先発デビューなら最高齢となる。「自信がある」という制球力とコンビネーションを武器に、長年の夢だった世界に飛び込む。
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米国で戦った17年WBCから思い描いた夢の舞台に、ついにたどり着いた。20年にはメジャー移籍を目指してポスティングを申請も、コロナ禍も影響し不成立だった。「本当にこの舞台に立つのが夢だった。ある程度日本ではやれたと思う。今回の決断は全然難しくなかった」。35歳シーズンに15勝を挙げて完全復活。「去年のオフに本気でやらなきゃと思うタイミングがあって。しっかり成績を残した上で、もう1回メジャーリーグに挑戦する。1つの目標に置いていました」と胸中を明かした。
ア・リーグ東地区のオリオールズは、日本人で4人目の入団となる。「素晴らしいピッチングスタッフとワールドシリーズを勝ちたいという熱意が伝わってきました」と選択した理由を語った。17~22年は6年中4度最下位と低迷も、遊撃手のヘンダーソンら若手の台頭で最近は2年連続でポストシーズンに進出。ヤンキース、レッドソックスなど伝統球団がそろう地区でも「素晴らしいリーグに入れた。強い、歴史のあるジャイアンツという球団でプレーさせてもらっていた。そういう巡り合わせもよかった」。巨人と同じオレンジがチーム色。同色の鳥柄ネクタイで意気込んだ。
若いチームに、ベテランの味を注入する。「誰と対戦したいというよりも、オリオールズには素晴らしいキャッチャーのラッチマンがいる。彼とバッテリーを組むのが今から楽しみ」。メジャー3年目にして2年連続球宴出場中の新星とコンビを組む。「100マイル(約161キロ)を投げられるわけじゃないですし、ものすごい変化球があるわけじゃない。ただ、コントロールであったりコンビネーションはアメリカでも勝負していける自信があります」と言い切った。
メジャー1年目が36歳を迎えるシーズンとなる。先発デビューなら10年高橋尚成(メッツ)の35歳シーズンを超えて、日本人のデビューで最高齢となる。「日本では日本一になれなかった。ワールドチャンピオンになるのが一番の目標。数字的なものはまだ経験してないので分からないですけど、1年間ローテーションで回れるように。そしたらおのずと結果がついてくると思う」。単年契約も「モチベーションにできる。とにかく1年で勝負する」と、実力を証明する覚悟を示した。
◆36歳シーズンのデビュー 89年10月11日生まれの菅野は来季36歳を迎える。1年目の満年齢を見ると、36歳以上で大リーグデビューした日本人投手は40歳の09年高橋建(メッツ)、39歳の07年桑田真澄(パイレーツ)、37歳の02年小宮山悟(メッツ)05年藪恵壹(アスレチックス)に次ぎ、36歳の04年高津臣吾(ホワイトソックス)06年斎藤隆(ドジャース)11年建山義紀(レンジャーズ)に並ぶが、過去は全て救援投手。先発すれば10年高橋尚成(メッツ)の35歳シーズンを上回り最年長デビューとなる。
◆アドリー・ラッチマン 1998年2月6日、米オレゴン州生まれ。シャーウッド高ではマリナーズからドラフト40巡目指名されたが、オレゴン州立大へ進学。19年ドラフト全体1位、当時史上最高の契約金810万ドル(約12億2000万円)でオリオールズ入り。22年メジャー昇格。強打でいきなり正捕手となり23、24年球宴出場。23年シルバースラッガー賞。今季は打率2割5分、19本塁打、79打点。188センチ、104キロ。右投げ両打ち。