楽天辰己涼介(2024年10月9日撮影)

<データで見る2024ペナント・楽天(パ4位・67勝72敗4分)>

プロ野球の快記録や珍しい記録からシーズンを振り返る連載「データで見る24年」がスタート。全13回で、プロ野球を球団別に12回、最終回は日本人大リーガーを記録から分析します。第5回は楽天。

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中堅を守る辰己が外野手シーズン最多刺殺397のプロ野球新記録をマークした。外野手の刺殺は、ほとんどがフライやライナーを捕球してアウトにした場合に記録され、守備範囲の広さを示す数字となる。これまでの上位は三振が少なく、打たせて取る投手が多かった1リーグ時代の選手で、48年青田(巨人)の391刺殺を76年ぶりに更新した。補殺と失策を加えた守備機会は404。こちらは歴代3位で、2リーグ制後に400以上は初めて。辰己は2失策しかなく、失策を除いた「刺殺+補殺」が402となり、48年青田に並び最多。守備機会10傑入りの中では、辰己の守備率9割9分5厘が1位だ。

辰己は22年が308刺殺、23年が347刺殺で、3年連続300刺殺以上の外野手は09~11年青木(ヤクルト)以来9人目。来季も300刺殺以上ならば47~50年青田、75~79年福本(阪急)に次いで3人目となる。今季の楽天は右翼の小郷も316刺殺をマーク。同一球団で外野手の300刺殺コンビは49年に中日の坪内と原田、阪急の玉腰と古川が記録して以来、75年ぶり6組目。辰己と小郷が守る楽天の右中間は、なかなか破れなかった。

打撃では自身初の最多安打のタイトルを獲得した。イニング別の成績を見ると、前半の1~5回は83安打で打率2割7分2厘。1~5回の安打数はリーグ6位だったが、6回以降は両リーグ最多の75安打を放って打率3割2分3厘を残した。試合の後半でよく打ち、1試合2本以上のマルチ安打が昨年の26試合(リーグ19位)からリーグ最多の45試合に増えた。143試合のうち142試合はフル出場。試合最後まで打って守って大忙しだった。【伊藤友一】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【データで見る】楽天、まぶしすぎた辰己界隈 外野刺殺NPB新 守備率史上最高 後半安打数1位