中村憲剛引退試合 試合後、笑顔ですしおけを掲げる中村憲剛(中央)(撮影・宮地輝)

<中村憲剛引退試合>◇14日◇Uvanceとどろきスタジアム

偉大なバンディエラが悔いなく一大イベントを終えた。20年シーズン限りで現役引退した元日本代表MF中村憲剛(44)がクラブや日本代表の超豪華な仲間が集った引退試合を行った。息子の龍剛さん(16)、憧れのラモス瑠偉(67)、小学生時代のチームメート澤穂希(46)らと同チームでプレー。世代を超えた夢の共演を果たした。元日本代表DF槙野智章(37)はノエビアスタジアム神戸で、元北朝鮮代表MF梁勇基(42)もユアテックスタジアム仙台で引退試合を開催し大盛況だった。(一部敬称略)

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中村が特別な場所で、特別なメンバーと、特別な時間を満喫した。現役引退から4年。コロナ禍もあり、未実施だった引退試合がようやく実現した。当時は声出し応援が禁止。「もう1度チャントを聞きたい」。その思いに突き動かされて今年1月に急きょ動き出した引退試合が幕を閉じた。

「もう思い残すことはないです。これで悔い残ったらバチ当たると思います。それぐらい本当に幸せな時間を過ごさせていただいたので、自分の中ではこれ以上ない引退試合だった」

25分間行われた最初の試合から印象的だった。澤率いる「なでしこフレンズ」と中村率いる「ケンゴフレンズ」が対戦。途中で長男の龍剛さんがピッチに。自身が幼い頃から憧れていたラモスと中盤を形成。終盤には澤もユニホームを着替えて同チームでプレーした。

父子共演。男女日本代表背番号10とのパス交換。ハイライトの1つに主役は「夢のような時間でしたね。もうなんかもうこのままずっとサッカーできたらいいのにって思いました」と感慨に浸った。その後の元日本代表メンバーの「JAPANフレンズ」、川崎F時代の「KAWASAKIフレンズ」での試合でも高い技術で4得点の活躍をみせた。2万2014人の大観衆を沸かせた。川崎F一筋18年。そのプレー、人柄で多くの人に愛された。「自分の信念を元に頑張っていきたい」。今後も日本サッカーの向上に全力を注ぐ。【佐藤成】

◆引退試合◆ 主催は3試合ともJリーグ。過去の所属クラブがJに申請し、承認されなければ開催できない。14年3月に撤廃されるまでは、公式戦で通算500試合以上の出場が開催の条件だった。現在も規約には「総収入から必要経費を控除した純益は、原則として対象選手が受領することができる」とある

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 中村憲剛「夢のような時間」引退試合で長男龍剛さんとプレー、「10」澤穂希とのパス交換