開放されたグラウンドでドッジボールを楽しむ法大野球部員と子どもたち

東京6大学野球連盟による社会連携アクション「野球部グランドで選手たちと遊ぼう!」が14日、法大、明大、立大で開催され、地域の子どもたちと野球部員たちがグラウンドで交流した。15日は早大、慶大、東大で開催される。

川崎市の法大グラウンドでは、子どもたちがところ狭しと駆け回った。「今日は全部、部員たちに任せています」という大島公一監督(57)の横で、同じように温かな目でふれあいを見つめる人がいた。

日本ハムの大渕隆GM補佐兼スカウト部長(54)だ。早大出身。東京6大学野球連盟の内藤雅之常務理事(63)らと話し合う中で、昨年からこの企画がスタートした経緯がある。

新潟育ち。「遊び場はそのへんの空き地でした。野球したりサッカーしたり。適当に人が集まって、遊んで、適当に帰る…みたいな。でも今は子どもがわざわざ遊ぶ場所に通わなきゃいけない。(遊ぶことが)習い事みたいになってしまっていて、親からしたら遊ぶこと自体のハードルが高くなってしまっています」と危機感を持ってきた。

同じ意見を持つ内藤氏らと会話を交わす中で「野球グラウンド=広場」ということを再認識した。「社会全体で遊び場がなくなってしまっている時に、野球のこの施設っていうのはすごく有効じゃないかと」。小学生と大学生。普段は絡まない2世代の接点という意味でも意義が見えた。

「あれは藤沢だったかな…。ドラフト候補がいて」と大渕氏が回想する。

「ドラフト候補の試合の隣の球場で少年野球をやっていて、ネクストサークルに女の子がいて。監督が耳元で『いいか、振るな。四球になるから』って。それを見てからです。主役は子どもたちなのに」

ライバルは「ゲーム機」だという。「子どもは楽しいことに流れる。そのきっかけを。野球じゃなくてもいいんです。外で遊ぶこと、スポーツの楽しさを知ってもらえれば」と願う。大島監督らとともに温かく子どもたちを見つめた。

走って、投げて、打って。サッカーやドッジボールやバドミントンも。2時間ちょっとのふれあいが終わった。柳沢諄マネジャー(3年)が「誰か、手挙げてくれるかな?」と心配しつつも、閉会式で「今日の感想ある人~?」と参加した小学生たちに問いかける。次々に手が挙がった。

「たくさん教えてくれてありがとうございました」

「時間が短かったのが心残りです」

「法政って野球のイメージしかなかったけど、いろいろ楽しかったです」

「来年もまた来たいです」

「月1で開催してほしいです」

素直な言葉を受け止めた大学生たちも笑顔だらけ。月1、といううれしい言葉をもらい、石黒和弥内野手(3年)が締めのあいさつでマイクを突き出す。

「来週もまた、来てくれるかな?」

平成の終わりに生まれた子どもたちは「は~い」と声をそろえた。【金子真仁】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 東京6大学野球×子どもたち 法大野球部グラウンドが遊び場になって小学生も「月イチで開催を」