ランニングをする阪神育成ドラフト4位の川崎(撮影・藤尾明華)

地元の伝統は俺が守る! 阪神育成ドラフト4位、日本海L・石川の川崎俊哲内野手(23)は自身の活躍で、故郷である石川・輪島市の伝統工芸品、輪島塗を広めていくことを誓った。自身が活躍し知名度を上げることによって、自らの力で輪島塗を有名にしていくことがプロでの目標の1つだ。「自分が活躍して甲子園のグッズコーナーで売ってもらえたらうれしいですね」と笑顔をみせた。

実家では父哲史(さとし)さん(57)が「川崎漆器店」を営み、輪島塗を製造、販売している。そのためか自宅の食卓には輪島塗の食器が並ぶことが日常だった。「輪島塗のお箸をよく使ったりしていました」。入寮日には持ち込まなかったが、今後は持参し愛用するつもりだ。

今年元日の能登半島地震では店舗兼実家も被害を受けた。9月には豪雨災害もあり、故郷で暗い話題が続いていたが、自身のドラフト指名後、地元の知り合いから「輪島に明るいニュースをありがとう」と連絡を受けるなど、故郷へ明るい話題を届けた。

選手としての持ち味は広角に打ち分けるバットコントロールと長打力だ。「まずは支配下。そこは通過点だと思っているので、1軍に定着できるようにやっていきたい」と力を込める。いつの日か虎の中心選手として、甲子園のグッズコーナーに輪島塗が並ぶことを夢見て、育成からはい上がる。【山崎健太】

◆川崎俊哲(かわさき・としあき)2001年(平13)5月2日生まれ、石川県出身。輪島から日本海L・石川を経て24年育成ドラフト4位で阪神に指名された。小柄な体ながら、力強さと広角に打ち分ける柔軟性を併せ持つ。好きな言葉は「誰かのためにすることが、一番力を発揮する」。174センチ、82キロ。右投げ左打ち。

◆輪島塗 経産省が指定する伝統的工芸品。石川・能登半島の輪島市周辺で生産され、丈夫さや華麗な加飾などが特徴。輪島特産の地の粉を下地に塗る。塗り上げるまでは20以上の工程があり、総手数は100回以上に及ぶ場合もある。1月の能登半島地震で同市も大きな被害を受け、伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業)で事業再開などに必要な経費の一部を国が補助している。

<プロ野球選手の実家アラカルト>

◆寺社 阪神2軍コーチに就任した梵英心コーチの実家は広島県三次市の浄土真宗・専法寺。父が住職、兄が副住職。元オリックス大引啓次は大阪市の神須牟地神社が実家。

◆蔵元 阪神からDeNAに移籍する浜地真澄の実家は福岡市の浜地酒造。甲子園の選手コラボグルメで「浜地酒造のヨーグルト梅酒」が人気。

◆川下り 日本ハム細川凌平の実家は、京都市の観光地・嵐山で保津川下りの水上売店船を営む。

◆キャラメル 中日祖父江大輔の一族が、名古屋市でキャラメルを製造・販売する日邦製菓を経営。

◆農園 西武外崎修汰の両親は青森県弘前市のりんご農園を営む。

◆開業医 元DeNAの寺田光輝は父が三重県伊勢市で内科・胃腸内科のクリニックを経営。本人も医師を目指している。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】育成ドラ4川崎俊哲「甲子園のグッズコーナーで」故郷の輪島塗の知名度アップへ活躍誓う