【広島】磐田ジャーメイン良と湘南田中聡のW獲得へ、9年ぶり逆転優勝逃し大型補強に動く
<明治安田J1:G大阪3-1広島>◇第38節◇8日◇パナスタ
9年ぶりの優勝を逃し、2位に終わったサンフレッチェ広島が、J2に降格するジュビロ磐田のFWジャーメイン良(29)の獲得に乗り出すことが8日、分かった。今季32試合19得点と大ブレークした左利きの本格派ストライカーで、広島は2年連続のオファーになる。
引き分け以上が逆転優勝の最低条件だったが、G大阪に完敗。4年目の来季も続投するミヒャエル・スキッベ監督(59)は、この日の会見で「(シーズン最終盤は)多くのチャンスをつくりながら、得点が少なかった。主力が欠けると別チームになる」と指摘。チームは今季リーグ最多72得点を記録も、夏に11得点のFW大橋祐紀が欧州移籍し、その影響が最終盤の致命的な3連敗に出た。
ジャーメインには、昨季もオファーしたものの断られた。今季はキャリア初の2桁得点を達成し、より進化を遂げた。広島は24-25年のACL2に続き、25-26年はACLEへの出場が内定。より高いレベルで2チーム分相当の選手層を保持する必要があり、9得点のFW加藤以外に日本人FWの補強が不可欠だ。
また、今季限りで現役を引退のMF青山が務めた守備的MFの穴を埋めるため、湘南ベルマーレMF田中聡(22)の獲得にも動く。
アンカーや攻撃的な位置もこなせるパリ五輪世代の逸材は、湘南で今季33試合5得点と大車輪の活躍を見せた。広島では背番号6を受け継ぐ川辺、急成長した松本泰、18歳の中島らと高次元の競争が期待できる。
スキッベ監督は22年の就任から、3位、3位、そして今季は自身最高の2位をつかんだ。大型補強を成功させ、来季こそ10年ぶりの王座奪回を実現させる。
◆ジャーメイン良(りょう)1995年(平7)4月19日、神奈川・厚木市生まれ。米国人の父と日本人の母を持つ。流通経大柏、流通経大から仙台入団。横浜FCを経て22年磐田へ。J1通算143試合30得点。17年ユニバーシアード日本代表。182センチ、75キロ。
◆田中聡(たなか・さとし)2002年(平14)8月13日、長野市生まれ。湘南の下部組織からトップに昇格。22年8月にベルギー1部コルトレイクに期限付き移籍し、23年6月復帰。優勝した24年U-23アジア杯日本代表で1試合に出場。J1通算114試合7得点。175センチ、73キロ。