契約更改を終えて会見の席につくリチャード(撮影・岩下翔太)

覚悟は決まった! ソフトバンクのリチャード内野手(25)が6日、福岡市内の球団事務所で2度目の契約交渉に臨み、上積みなしの現状維持1000万円で更改した。

前回は保留し、この日は80分に及ぶ長丁場の交渉で納得のいく形でサイン。今季はウエスタン・リーグで5年連続の本塁打王、3年連続の打点王を獲得した。オフは師と仰ぐ山川穂高内野手(33)に弟子入りし、未完の大器が1軍舞台で覚醒の時を迎える。(金額は推定)

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悩めるリチャードがようやく記者会見に姿を見せた。表情を緩めず、何度も口にしたのは「覚悟」だった。

「覚悟は決まったので。覚悟を持って印鑑を押せましたし、全力でやる覚悟はできました」

2度目の契約交渉で納得してサインした。先月22日の保留からちょうど2週間。提示額は変わらず、現状維持の1000万円で更改した。保留理由は金銭よりも、出場機会について球団との「対話」を求めた。この日の交渉時間は約80分に及んだ。前回と合わせれば2時間を超える。「(球団とは)1年に1回しか話せないので。前回は時間が足りなかったので保留になった。自分の覚悟だったり、今回はいい会話ができた」。心のもやもやを晴らし、気持ちを新たにした。

今季は1軍に15試合出場で打率2割2分6厘、0本塁、1打点と低迷。プロ7年目の数字としては物足りない。対照的にウエスタン・リーグでは18本塁打、54打点。5年連続の本塁打王、3年連続の打点王と打撃2冠の暴れぶりだ。ただ、リチャードにとって誇れる成績ではない。「ここ数年、ずっとふがいない成績」と肩を落とした。

1軍の舞台で日の目を浴びるためにも、オフは師匠のもとで一から鍛え直す。「山川さんにお願いして心中するというか…。それでダメなら仕方ないと言えるように覚悟を持って」。11月からすでに山川と練習に励み、ハードなメニューをこなす。本格的な肉体強化にも着手。「普段好きなように食っているのが恵まれているなと思うぐらい」と食事制限を敢行。年明けの4日からは沖縄・久米島で自主トレをスタートする。「(山川に)追いつくのに一番早い方法は、その人と一緒にやることだと思う」。オフは身近で尊敬する主砲の背中を追う。

「がむしゃらに。自分の持っている全てを出し切りたい」。プロ8年目の来季こそ、未完の大器が覚醒の時を迎える。【佐藤究】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ソフトバンク】リチャード「ずっとふがいない成績」尊敬する山川の下で一から鍛え直す