清武弘嗣(2024年7月14日撮影)

セレッソ大阪が保有権を持ち、現在サガン鳥栖に期限付き移籍中の元日本代表MF清武弘嗣(35)が、来季は16年ぶりに古巣のJ2大分トリニータに完全移籍で電撃復帰することが3日、分かった。下部組織からプロ2年目まで育った愛着ある故郷の古巣で、人生初のJ2挑戦を決意。現役生活の全てを懸けて、大分で4年ぶりのJ1復帰を目指す。近く正式発表される。

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天才司令塔として1つの時代を築いた清武が、約10年間在籍したC大阪を去ることになった。

今夏から期限付き移籍する鳥栖からの今季限りでの退団は予定通りで、保有権を持つC大阪との契約延長の可能性も消滅した。11月から水面下で各方面と交渉が行われ、清武は新天地に大分を選んだ。

関係者によると、清武にとって人生初のJ2挑戦になるが、まったく気にしていないという。減俸も受け入れたもようだ。

大分市生まれの清武は、それよりも故郷で自分を下部組織からプロ2年目までの8年間、育ててくれた古巣大分でのプレーに意気を感じている。16年ぶりという異例の長期ブランクを経ての電撃復帰だ。

清武はC大阪のシンボルだった。10年に大分からC大阪に引き抜かれる形で完全移籍し、ニュルンベルク、ハノーバー(ともにドイツ1部)、セビリア(スペイン1部)での欧州挑戦をはさんで、17年2月にC大阪へ復帰した。

17年度はクラブ初タイトルとなるルヴァン杯と天皇杯の2冠獲得に貢献。19年から昨年まで5年間も主将を務めるほど、クラブの絶対的存在だった。

一方で脚の肉離れなど近年は故障に悩まされ、23年の出場はわずか2試合。今季はC大阪で6試合、鳥栖で10試合の出場にとどまっている。

ただ、12年ロンドンオリンピック(五輪)では銅メダルに1歩及ばない4位に導き、14年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会では日本代表に選ばれた実力者。1発のパスで展開を打破できるファンタジスタ系のプレーは色あせることなく、リーダーシップを含めてまだ力は衰えていない。

大分は21年に3度目のJ2降格を味わい、片野坂知宏監督(53)が復帰した今季は一時J3降格の危機に直面し、最後は16位で残留を果たした。これまでの環境とは大きく変わるが、4年ぶりのJ1復帰を狙う大分で、清武の完全復活が期待される。

◆清武弘嗣(きよたけ・ひろし)1989年(平元)11月12日、大分市生まれ。大分の下部組織から08年にトップ昇格を果たし、10年C大阪へ完全移籍。12年7月にニュルンベルク、14年7月ハノーバー、16年6月セビリアへの移籍を経て、17年2月にC大阪復帰。12年ロンドン五輪、14年W杯ブラジル大会日本代表で、国際Aマッチ通算43試合5得点。J1通算269試合41得点。172センチ、66キロ。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【C大阪】清武弘嗣が来季16年ぶり古巣大分に電撃復帰決定 今季末まで鳥栖在籍、人生初J2挑戦へ