【阪神】「4番」から「4番」へ…掛布雅之氏が残留大山悠輔にエール「数字で引っ張っていって」
ミスタータイガースが4番に掛布流エール! 阪神のOB総会が30日に大阪市内のホテルで開かれ、掛布雅之氏(69)が第8代会長に正式就任した。前会長の川藤幸三氏(75)から託された新会長は、藤川球児新監督(44)のバックアップを誓うとともに、国内FA権を行使していた大山悠輔内野手(29)の残留を大歓迎。来季の「全試合4番」を期待し、4番の大先輩として来季のさらなる活躍を願った。
◇ ◇ ◇
今季までOB会長を務めた川藤氏からバトンを渡された掛布新会長は、明るく高らかにあいさつした。「藤川監督の胴上げを祈願しまして、乾杯したいと思います。乾杯!」。岡田オーナー付顧問から、同じくバトンを受けた藤川監督を盛大にもり立てた。
球団創設90周年を迎える来季のリーグ王座奪還へ、新指揮官のバックアップを誓うとともに、主砲の決断を喜んだ。前日29日に、国内FA権を行使していた大山が残留を決めたことが発表された。「それはもう大変うれしかったですし、大山自身も悩んだと思いますけども、いい答えを出したと思います」。獲得に乗り出していた巨人とのTG争奪戦。注目されていた大山の心境も「すごく勇気のいることだと思いました」と思いやった。
掛布氏が2軍監督時代の17年に、大山はドラフト1位で入団。ルーキー時代からの成長を知るからこそ、背中を押すようにハッパをかけた。「彼が4番として全てのゲームに出るぐらいのですね、気持ちを持ってチームを引っ張っていってもらいたい。4番としてだね、数字で引っ張っていって」。掛布氏も長い間、猛虎の顔として、打線の中心の「4番」として君臨。「大山自身の経験してきた野球、これの集大成みたいなものを、新監督のもとで出して、チームを引っ張っていければいいんじゃないですかね」。責任の重さを承知の上で、大山に大きな期待を寄せた。
一方で森下、佐藤輝と高め合うことも期待した。「3人のドラフト1位の、クリーンアップ4番争いなんてのも楽しみですよね。これがチームを強くすると思います」。にじみ出る虎への愛情。これからはミスタータイガースがOB会長という立場で、チームも主砲もバックアップする。【磯綾乃】
○…阪神OB会の副会長には桧山進次郎氏(55=日刊スポーツ評論家)と、峯本達雄氏(71)が就任する。これまでも役員を務めていた桧山氏は、掛布OB会長から「次のバトンを渡すべく桧山に副会長をやってもらう」と任命された。「今回ご指名を受けて、やっぱりもっともっと盛り上がるように。日本全国にいっぱいタイガースOBがいるので」とOBの輪がさらに広がるよう意気込んだ。
◆阪神タイガースOB会 結成は1972年(昭47)3月12日。甲子園球場内で発会式が行われた。発案者は大阪タイガース初代監督の森茂雄氏(当時大洋球団代表)。「巨人にあって阪神にないのは残念だ」とOBを集めた。松木謙治郎、藤村富美男の両氏を初代の正副会長に選任。会長は全OBの取りまとめが主要業務。球団と現役選手のパイプ役になり、選手へのアドバイスや激励を行うこともある。会長がキャンプなどに陣中見舞いに行くことも多い。
【主なOB出席者】吉田義男、安藤統男、藤田平、上田二朗、川藤幸三、掛布雅之、岡田彰布、平田勝男、木戸克彦、大根晃、岡義朗、嶋田宗彦、福家雅明、桧山進次郎、川尻哲郎、藪恵壹、福留孝介、嶋尾康史、東利夫、横谷総一、中谷忠己、筒井壮、関本賢太郎、亀山努、能見篤史、岩田稔、筒井和也、葛城育郎、宮内仁一、山下和輝、奥村武博、狩野恵輔、大石昌義、田中秀太、麦倉洋一、江草仁貴、久保田智之、渡辺亮、山崎憲晴、白仁田寛和、日高剛、喜田剛、西口裕治、末永正昭、峯本達雄、高木昇【主なフロント関係者】南信男、四藤慶一郎、竹田邦夫、粟井一夫(順不同)(敬称略)