日本対台湾 優勝を逃しがっくり肩を落とす森下(撮影・たえ見朱実)

<ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12:侍ジャパン0-4台湾>◇24日◇東京ドーム

世界の舞台で必ずリベンジだ。侍ジャパンが台湾代表に完封負けを喫し「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」で2大会連続優勝を逃した。1次ラウンドから全9試合で4番を務めた森下翔太外野手(24)は最多得点となる13得点を記録するなどしてベストナインも獲得。「この経験を経験のままで終わらせるのはもったいない」とさらなる成長を誓った。

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森下は一塁ベースから立ち上がるとがくりと肩を落とし、ナインが待つベンチへと引き上げた。最後は1死一塁から栗原がファーストライナー。一塁走者の森下が飛び出して併殺となった。日本の4番はこの日は無安打。準Vの結果に試合後、笑顔はなく「悔しい」を何度も繰り返した。

「最後の最後で悔しい結果になってしまった。悔しいの一言につきますけど、もう本当に台湾も強かったので、絶対リベンジしたいと思います」

1次ラウンドから全9試合で4番に座った男は、重圧をはねのけ、実力を見せつけた。今大会通算で28打数10安打、打率3割5分7厘、1本塁打、9打点をマーク。さらに、13得点で今大会の最多得点を記録し、外野手でベストナインにも選出された。

「貴重な経験ができたので、この経験を経験のままで終わらせるのはもったいない。絶対技術的にアップして、またこの舞台により成長した姿を見せて戻ってきたいと思います」

再び日の丸を背負い、リベンジすることを誓った。26年にはWBC、28年にはロサンゼルス五輪が控える。もちろんそこを目指すつもりだ。「もう泥臭く、まだまだこんなもんじゃないと思う。自分も含め、オフになりますけど、技術を高めて、束となったら強いというところを世界に見せたいなと思ってます」。阪神で再び鍛錬し、結果を残し、必ずリベンジの舞台に戻ってみせると言い切った。

今大会、1次ラウンドでは5試合で打率5割7分1厘、1本塁打、6打点、8安打、10得点でチーム5冠と圧倒的数字を残した。持ち前の勝負強い打撃で得点をたたき出すだけでなく、つなぎの4番としても役割を果たした。

「今回は4番任せてもらって頼りなかったかもしれないですけど、『こいつに回しとけばなんとかしてくれるんじゃないか』という、そういう期待感を持たせられるような選手なりたい」

悔しさで幕を閉じた2024年シーズン。プロ3年目を迎える来季は、チームの主力として、ファンの期待を背負うことになる。世界の舞台で一回り大きくなった背番号1が、タテジマでも進化した姿を見せる。【村松万里子】

◆1号アーチで初勝利(3月31日巨人戦)開幕2連敗の最悪スタートだったが、3戦目の8回に今季チーム1号の先制決勝3ラン。24年初勝利をもたらした。

◆2軍落ち(7月6日)直近10試合で打率1割4分8厘と落ち込み、登録を抹消された。5月にも大きく調子を崩し、岡田監督の直接指導も受けていた。

◆2年連続2桁弾(8月8日ヤクルト戦)昨年23年の10本塁打に続き、10号に達した。プロ入りから2年連続は球団6人目で、右打者では岡田彰布以来。

◆4番デビュー(8月13日巨人戦)2年目にして初先発4番に入り、初回にグリフィンから先制2ラン。プロ初4番の1打席目に本塁打は、49年別当薫以来球団75年ぶり2人目の快挙。

◆「近森大佐」で100安打(8月31日巨人戦)プロ初の3桁安打に到達した。近本、大山、佐藤輝と合わせ、ドラ1入団4人の同一年100安打そろい踏みは球団初となった。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【プレミア12】森下翔太「経験で終わらせるのはもったいない」再び日の丸背負いリベンジ誓う