【プレミア12】辰己涼介が大口発言の真相語る「示しつかない。だから…」決勝前スターが仮面脱ぐ
<ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12:日本-台湾>◇24日◇東京ドーム
侍ジャパン辰己涼介外野手(27)が数々の大口発言の真意を明かした。
今大会に限らず、辰己は宇宙人のようなミステリアスなコメントを残してきた。そこには確固たる理由がある。
辰己 なぜ大胆な発言をするかって、ああ言うことによって自分が奮い立つんです。大口をたたけば「やんないといけない」っていう気持ちに勝手になる。示しがつかない。だからそうしているんです。
開幕前から「日本の主砲として頑張りたい」。広いバンテリンドームでの1発も「広い、広いと聞いてたんですけど、僕からしたら、そんな広くなかったす」。決勝前日には「負けたらピッチャーに転向します。インパクトを残せるのは最後なんで。最後に結果を残すのが主人公。明日は最後なんで勝ちたい」とビックマウスぶりを発揮していた。自らを「スター」と名乗るのも、全ては野球で結果を残すための自己暗示だった。
野球には人一倍に真剣だった。「同学年の選手と仲は良いか?」と質問を投げると、珍しく真面目な答えが帰ってきた。「仲いいとかは特にないです。しゃべるにはしゃべるけど、ここは学校じゃない。仕事なので。仲良くする必要はないって言ったら、アレですけど、結局は個人事業主。僕はアピールをしに来ている。仲を悪くしにも来ているわけではないけど、最悪、僕は孤立してもええかなって思ってます」。
今大会は26年WBCの重要な選考基準にもなる世界大会。「僕は自分のために、家族のためにずっと野球をやってるんで。僕が続けてきたことを仕事にしてるんで。自分がしっかりパフォーマンスを出せるようにってことしか考えてない」。右肘に死球を受けた際も大事に至らず「大好きな野球ができる」と少年のように笑っていた。
ミステリアスな一面は自負している。「謎めいていた方がいいんです。何者なんや?って。別に目立ちたくはない。勝手に目立ってしまうだけ」。少なからず辰己の言動は野球ファンの脳裏に残る。「本性は死に際に公表するのがいいよな。最終的に答え合わせできたらいいし、なんなら謎めいたまま死んでもいいかな」。自己表現、自己プロデュース、野球に対する姿勢。辰己はわが道を歩む。まずは世界一で「主人公は遅れてやってくる」を現実にする。【只松憲】