ノックを受ける佐藤輝を笑顔で見る藤川監督と、上本コーチ(右)(2024年10月27日撮影)

阪神の新コーチインタビュー最終回は、2軍野手コーチから1軍に配置転換となった上本博紀打撃コーチ(38)。タイガースアカデミー、阪神タイガースWomenの監督などを務めた経験もある同コーチが、選手への接し方などを語った。【聞き手=佐井陽介】

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-2軍から1軍に移り、どう指導していきたいか

「そこに関してはあまり決めずに。選手も生き物なので、毎日いろいろなことが変化していくと思う。その時に一番いい方法で毎日毎日、その時その時で探していきたいと思います」

-「これをこうしろ」というよりは選手のしたいことを探しながらアプローチ

「選手によると思います。こうしろって言った方が良かったらそうするし。正解はないですけど、その時にいいと思ったことをやっていこうという感じです」

-藤川監督から求められているものは

「もう『思い切ってやってくれ』と。『何かあったら俺が表に立ってやるから』ということは言ってくださったので、印象に残っています。選手のために、チームが強くなるためにやっていくだけですね」

-藤川監督の印象は

「ずっとコミュニケーションを取ってくださるので、自分もそこに甘えすぎないようにちゃんとやることやらないといけないです」

-自身もコミュニケーションを大事に

「まあ、そこも人とか状況によると思うので。取った方がいい時は取るし、取らない方がいい時は取らないという感じです」

-小谷野打撃チーフコーチ同様、選手の動画などはよくチェックしている

「それはもちろんそうだと思います」

-ファームを1年間見て楽しみな選手は

「誰というのはなくて。1年間接した選手は多いので、性格的なこととかは何となく分かると思うので、その辺も生かしていきたいとは思います」

-コーチの理想像は

「マスコミが大変なので…そこでフラストレーションをためないように(選手を)守ってあげる。守るのも仕事だと思います」

-現役の時は大変だった

「大変ですね。阪神は特に大変だと思うので、守ってあげたいと思います」

-今のチーム状況を考えて、こんな役割、作戦、打撃をしてほしいというモノはあるのか

「それはこれからまだ合流できていない選手もいるので、見ながらのバランスだと思う。今のところは何も言えないです」

-キャンプで各選手のスイングの質の変化は感じているか

「毎日毎日は分からないですね。毎日見ていると。たまに見ると分かるんでしょうけど、今のところは毎日毎日やっているので、そういう変化はまだ。期間も短いので、そんなに一気には…。地道な積み重ねだと思います」

-打線の底上げという意味でも各選手に自力をつけていってほしい

「そういう人が多ければ多いほど、チームなのでいいと思う。全員良くなるように、ただそれだけです」

◆上本博紀(うえもと・ひろき)1986年(昭61)7月4日生まれ、広島県出身。広陵(広島)では甲子園に春夏通じて4度出場し、2年春に優勝。早大に進み通算109安打を放ち、4年時には主将。08年ドラフト3位で阪神に入団。14年から3年間は選手会長を務めた。プロ通算698試合に出場し522安打、30本塁打、161打点、94盗塁、79犠打、打率2割6分5厘。右投げ右打ち。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】「何かあったら俺が表に…」上本打撃コーチが藤川監督からもらった言葉/新コーチに聞く