【天皇杯】神戸が5大会ぶり2度目V、G大阪との関西対決制す 宮代大聖が決勝点
<天皇杯:G大阪0-1神戸>◇23日◇決勝◇国立競技場
ヴィッセル神戸がガンバ大阪を下し、5大会ぶり2度目の頂点に立った。
立ち上がりに積極的な姿勢を見せたのはG大阪。21日の練習で右ハムストリングを肉離れしたFW宇佐美貴史(32)を欠きながらも、前半9分にボールをつないで、最後はMF山田康太(25)からの浮き球のパスにMFダワン(28)が飛び込んでヘディングシュート。これは神戸GK前川黛也(30)がセーブしたが、同15分には右CKからのボールを山田がジャンピングボレーで狙うなどチャンスを作った。
神戸のチャンスは同19分。右サイドで持ったMF武藤嘉紀(32)がキレのある動きで中央に入り込むと、ゴール前へ鋭いボールを送る。これにFW宮代大聖(24)が反応してゴールに迫った。同31分には立て続けの攻撃から、最後はFW大迫勇也(34)のポストプレーからDF酒井高徳(33)が右からクロスを入れ、武藤が頭で合わせてG大阪ゴールを脅かした。
それでも前半はどちらもスコアを動かすことはできず0-0で折り返した。
後半に入ると、どちらも早い時間で選手を入れ替える。G大阪は後半10分にMFウェルトン(27)、神戸は同14分にFW佐々木大樹(25)を投入。G大阪は投入直後にカウンターからウェルトンが左サイドを切り裂くなど試合が動き始めた。
均衡が破られたのは同19分だった。神戸は前線にロングボールを送ると、佐々木がつぶれ役となり、こぼれ球を拾った大迫がペナルティーエリア左へボールを送る。これを受けた武藤のシュート性のボールをDFが止めたところを、宮代が押し込んでネットを揺らした。
リードされたG大阪も、同31分に同点のビッグチャンスを作る。途中出場のMFファン・アラーノ(28)の右クロスから中央のダワンがフリーでヘディングシュート。しかし、これはわずかに右に外れた。
1点リードの神戸は、最後まで盤石の采配で狙い通りに試合を進め、そのままタイムアップ。歓喜の瞬間を迎えた。
昨季のリーグ初優勝に続いて神戸にタイトルをもたらした吉田孝行監督(47)は、99年元日に横浜フリューゲルス最後の試合での優勝以来の大会制覇。Jリーグ開幕以降で8人目となる選手と監督での優勝を成し遂げ、決勝得点者では初となるダブル制覇の偉業を達成した。