【DeNA】大田泰示が引退会見 重圧感じた巨人時代の背番号「55」への思い…声援に感謝
DeNAから戦力外通告を受け、今季限りで現役を引退する大田泰示外野手(34)が18日、横浜市内の球団事務所で会見を行った。
東海大相模から、08年ドラフト1位で巨人に入団。与えられた背番号は、松井秀喜氏が背負った「55」だった。当時を振り返りながら、背番号「55」への思いを語った。
「ジャイアンツのフロントの方々が僕に託してくれたってことはすごく名誉なことだと思うし、今は秋広選手がつけてますけど、それまでつけてなくて、僕に託してくれたのはすごく責任があるなっていうふうには感じました」
球団、ファンから大きな期待を背負いながら、レギュラーには定着できず、プロ6年目の14年に背番号を「44」に変更した。
「当時は高校卒業して、人生の経験が浅く、その期待に応えようとしすぎたなっていうのはあったし、よく見せようとしすぎたなっていうのはすごく思います。葛藤がすごくあったなと」と重圧に苦しんだが、16年間の現役生活を経て、気付いたことも多く、今の若手へのメッセージへと変わった。
「今となってみれば、あの時、自分のことに徹してやれば良かったなとか、野球以外のところを気にせず、野球に打ち込めばよかったかなっていうのは経験しないとわからないことなんで、そこは今、思います。今の選手には、今の時期を逃しちゃうと返ってこないよと。そういった意味では、しっかり練習しろよとか、準備の部分で怠るなよとかね、そういうのは伝えてきたかなと思います」
巨人で8年間、もがき、苦しんだが、当時の首脳陣、チームメート、ファンの声援、叱咤(しった)激励が日本ハムでの飛躍につながった。「ファンの方にメッセージを」との問いに、感謝の思いを込めた。
「ドラフト1位で入団して、55番をつけさせていただいて、期待されてる中で1年目がスタートし、背番号に見合った活躍っていうのはできない中、応援してくれるファンの方もいましたし、中には叱咤(しった)激励もいただけるファンの方もいましたけど、厳しくもあり温かみもあって、すごく重圧を感じることもありましたけど、初ホームランを打った時の声援だったり、優勝決まった時の声も覚えてますし、ジャイアンツファンの方は非常に熱いなっていうのはすごく感じたので、本当に8年間、応援していただいて、人間的にもメンタル的にも鍛えられたかなと思います」
3球団を渡り歩き、通算907試合で718安打、84本塁打、343打点。ファンを魅了し、愛された男の原点は、巨人の背番号「55」であり、その思いを言葉に込めた。