ブルペンで投げ込む阪神門別の投球を片山ブルペンコーチ兼BC(左)の後ろから見守る藤川監督(2024年11月2日撮影)

阪神高知秋季キャンプでは藤川球児新監督(44)のもと、若虎たちが連日汗を流した。鋭くも温かい視線を向けるコーチ陣は1、2軍を合わせて新たに5人が加わった。日刊スポーツが行う新コーチインタビューの第1回は今季までブルペン捕手を務めた片山大樹1軍ブルペンコーチ兼ブルペン捕手(49)。コーチ転向後の変化、指揮官と選手をつなぐ潤滑油として役割などを冷静に明かした。

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-立場が変わった実感は

「めちゃくちゃ感じています。今までブルペン捕手という立場で、普通に受けて、選手のサポートをする、手伝ってあげるということだけしか考えてなかったんですけど。コーチという立場になったら、やっぱり周りの選手との兼ね合いとか、いろいろコーチと話しながらコミュニケーションを取りながらやっていくという、頭を使うこともちょっと多くなってきている。その辺は全然違うし、実感します」

-以前から選手にアドバイスを送っていた

「その辺は今まで通り。僕も24年間ブルペン捕手でやらせてもらってますけど、だんだん年を重ねるごとに見えてくるものも違ってくる。それなりに自分も踏み込んだところまで言っていたんですけど、今までも。今はもっと各選手に深く入り込んでやっているかな。ユニホームを脱いだ時も会話とかして、もう1歩先のアドバイスができているのも確かですね」

-今まで言いにくかったことも今なら言える

「今までもガンガン言ってましたけどね。コーチという立場で言葉の重さも多分変わってくる。去年までなら冗談っぽく言っていたことも真剣に捉えてくるので、選手を見てあげるということは今まで以上にしっかりしています」

-藤川監督とは現役時代から長い付き合いになる。コミュニケーションも取りやすい

「それはもちろんあります。この選手はこうだよとか、この選手こうなってないですかとか、そういう会話は監督としているので。監督の思っていることを選手に伝えたりとか、秋季練習からずっとできているので。そのコミュニケーションの取り方もすごくやりやすいし、選手に伝わりやすい状況だとは思います」

-監督の「目」となる

「目とはなりませんね。口となるんですかね(笑い)。監督はしっかり目を持っているので、そこを伝える。スピーカーとかそんな感じですかね」

-藤川監督からの気づきは

「ほとんど『なるほど』ですね。一致したというのもありますけど、さすが見る観点が違うなというのは思いますね」

-ブルペン捕手専任時代とスタイルは変えない

「崩さないですね。僕はやっぱり自分で受けて確かめたいし。本当に捕れなくなるまで捕りたいし。手で感じるものとか、ボールを見て感じる強さとかは、投手にとって一番大切な部分かなと」

-今年1年どういった形で監督を支えていきたい

「監督の思い描く野球をしっかり把握して選手に伝えていくかがすごく大事になってくる。チームが1つになって戦っていかなあかんので、その辺は多分うまい監督やと思う。僕らもついていって、しっかり考えを共有してやっていきたい」

-極力ボールを受けて

「先発投手は全部受ける、今まで通りやるつもり。それを変えるつもりはない」

◆片山大樹(かたやま・だいき)1975年(昭50)2月24日生まれ、山口県出身。徳山商では通算38本塁打、遠投110メートルを誇り、92年ドラフト4位で阪神入り。1軍公式戦出場はないまま00年限りで引退。現役時代は177センチ、81キロ。右投げ右打ち。翌年01年からブルペン捕手に転じた。メッセンジャーや藤川球児の投球練習の相手役を務めるなど周囲の信頼も厚い。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】片山大樹1軍ブルペンコーチ「監督の『口』になる」ブルペン捕手も兼務/新コーチに聞く