【プレミア12】侍4連勝で1位突破 送り込んだ“ジョーカー”五十幡亮汰が快足飛ばし決勝ホーム
<ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12:侍ジャパン7-6キューバ>◇17日◇天母
【台北17日=栗田成芳】侍ジャパン井端弘和監督(49)が雨中の激戦を制して、無傷の4連勝でスーパーラウンド進出を決めた。「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」第4戦キューバ戦。今大会初の屋外球場で悪天候の中、同点の8回に切り札の五十幡亮汰外野手(25)を代走で投入。栗原陵矢内野手(28)の勝ち越し犠飛で、食らい付くキューバを振り切り終止符を打った。日本はこれで国際大会23連勝となった。
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最後の最後に、ジョーカーを送り込んだ。井端監督は、6-6の同点で迎えた8回先頭の小園が遊撃失策で出塁すると、代走・五十幡を告げた。1死一、三塁と広げたチャンス、栗原の左犠飛で三走・五十幡が勝ち越しのホームを踏んだ。「ポスト周東」として招集した侍の新・韋駄天(いだてん)をベンチで迎えた井端監督は「選手が1点ずつ積み重ねてくれて貴重な追加点になった」。9回表は今大会2回完全投球の藤平に託し勝ち切った。
雨が降っても、強風が吹いても、動じることはなかった。悪天候の状況下、佐野の先制適時打から始まった攻撃は犠飛4本などで7得点し今大会4連勝を飾った。1次ラウンドで1試合を残し、スーパーラウンド進出を決めたのは、状態を見極め配置した打線が機能した結果だった。
激痛で一瞬、苦悶(くもん)の表情を浮かべた。9月中旬、台湾で現地視察した際、足つぼ店に向かった。プレミア12の会場となる2球場を訪れ、試合も現地視察。台湾プロ野球でプレーする選手、コーチら関係者から情報収集するなど精力的に動き、実り多い視察のつかの間の時間だった。足元に座った男性マッサージ師の指圧に最初は平然。しかし、右足裏中央部分に激痛が走る。真正面で叫び続ける吉見投手コーチをよそに、グッとこらえた。
ノーペイン、ノーゲイン-。何かを得るには痛みを伴う。そう心に刻んで迎えた今大会。「何度も国際大会を経験させてもらってますけど、特に海外の試合はなにか突発的なことが起こる。起こったときにどう対処できるか。そこらへんは常に頭に入れてやっていきたい」。プロ4年目の01年W杯、プロアマ混成の日本代表として初めて台湾を訪れた。大会中、ホテルで隣の部屋のキューバ代表選手が突然、部屋をノック。何かと思ったら、日本製バットをおねだりされた。「荷物が軽くなるから」と全部あげて帰国した。初台湾から驚きの連続だった。
19年の前回大会はコーチで参加し、台湾・台鋼ホークスの臨時コーチも務め「誰よりも台湾に来ている」と自負する指揮官にとって、台湾は“ホーム”も同然だ。4時間超えの激戦を終え「選手は非常に疲れてますので、あと1試合、踏ん張って日本に帰りたい」と疲労困憊(こんぱい)。代わりに手にした勝利は、格別だった。【栗田成芳】
◆日本と台湾がスーパーラウンド進出 18日の試合を残して、日本の1位、台湾の2位が決まった。日本はドミニカ共和国戦に敗れた場合、台湾と4勝1敗で並ぶ可能性があるが、勝敗が並んだ場合は直接対決の結果によるので、すでに台湾に勝っている日本が1位になる。また、台湾もキューバ戦に敗れると韓国と3勝2敗で並ぶ可能性があるが、すでに韓国には勝っており、2位が決定した。