甲斐拓也争奪戦が本格化 ソフトバンクはすでに好条件提示、自ら巨人との交渉の席に着く可能性も
国内フリーエージェント(FA)権を行使したソフトバンク甲斐拓也捕手(32)の争奪戦がいよいよ本格化する。
14日、今季のFA宣言選手が公示され、15日には他球団との交渉が解禁に。FAの目玉ともいえる球界NO・1捕手に対し、巨人が獲得に乗り出す。ホークスは残留に全力をつくす構えで、今季のセパ優勝チームが熱いバトルを繰り広げる。
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熟考してFA宣言に踏み切った。残留か他球団への移籍か。悩み深き秋を迎えた甲斐だが、選択に迷いはない。この日もみずほペイペイドームで約2時間、トレーニングに汗を流した。「ウエートトレに打撃練習。キャッチボールもやりましたよ」。人生1度きりと表現したFA権の行使。「第2の野球人生」に向けてしっかりと決断するつもりで、12月に予定されているハワイへのV旅行参加も取りやめた。
すでにホークスからは、下交渉で4年10億円プラス出来高の好条件を提示されている。金額のみならず、新たな進路へ最高の選択をするために、獲得へ名乗りを上げる球団の話はしっかり聞くつもりだ。球界NO・1捕手に熱視線を送るのは今季、4年ぶりにセ・リーグを制した巨人。「(交渉は)代理人の先生にお任せしています」としながらも「その後はまたどうなるかわからないですけど」と交渉の席に着き、ラブコールに応える用意もある。
FA宣言選手の公示を受けて、三笠GMも対応した。「彼が(ホークスに)入ってからずっとかかわってきましたんで。立場抜きにしてFA権取って感慨深いところがある。当然、残ってもらいたいですけど。彼もおそらく一生に1度のことでしょうから。宣言するというのは。個人的な立場もありますが、僕としては残ってもらいたいという話はしました」とチーム残留を希望。甲斐とともにFA権を行使した石川も「宣言したところで話し合いが終了とは考えていない。そういうスタンスでいきたい」と粘り強く、2人の引き留めに力を注ぐ構えだ。
「育成のホークス」と呼ばれる中で、甲斐はその象徴ともいえる存在だ。石川を含めて簡単に他球団へ流出することになれば、ホークスのチームの「魅力」も問われかねない。
甲斐は今月24日に行われるVパレードやファンフェスティバルには参加予定。セパVチームの熱き獲得バトルから目が離せない。(金額は推定)
○…ソフトバンク三笠GMはFA戦線には消極姿勢だった。この日のFA選手の公示を受け「宣言した選手自体はマーケットに出ているわけですから調査は当然していますが、既存の戦力を含めて考えてどのような方針を取るかを考えていきたい」と話した。今季の重点は野手よりも投手の再強化にあるようで「相対的に投手の方が課題」と言いつつも、獲得調査を行っている中日のライデル・マルティネス投手(28)については「特にコメントはありません」とかわした。