【プレミア12】侍井端監督、初戦制し「ホッとした」打線要所に配置した初侍が躍動 国際大会20連勝
<ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12:侍ジャパン9-3オーストラリア>◇13日◇バンテリンドーム
侍ジャパン井端弘和監督(49)が、若き力を結集して初戦を制した。
13日、「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」の1次ラウンド・オーストラリア戦(バンテリンドーム)を9-3で白星発進した。「7番DH」でスタメン起用した清宮幸太郎内野手(25)を筆頭に、7人の侍世界デビュー組で形成した打線が躍動。最重要ポイントに掲げていた初戦を制したチームは、14日に台湾へ移動し、15日に宿敵韓国との2戦目に備える。
◇ ◇ ◇
最後はしゃがれ声で、勝利をかみしめた。井端監督が初戦を制し、本音を漏らした。「正直、ホッとしています。どんな点差でも勝てば良いと思っていた初戦。非常にホッとしています」と繰り返した。4回までに5点を奪う展開も6回に2発を被弾し、一時2点差に迫られる中で終盤に畳みかけ、声を出し続けた。「普段声出さないから、もう声がかれちゃったよ」。でも勝って引き揚げる足取りは、軽くて心地よかった。
世界デビュー侍を打線の要所に配置した。1番に抜てきした31歳桑原が初回先頭で四球を選ぶと、辰己の先制犠飛で生還した。2回には先頭の清宮が右前打で侍初打席初安打。そのまま2点目の走者となった。4番に配置した森下は3安打2打点。2点差に詰め寄られて迎えた7回には、世界を知る牧が中前へのチーム初適時打で相手の反撃を食い止めた。「どうやったら点が入るか各自が考えてくれた」。開幕投手に選んだ井上を含め、託した選手が躍動したのは信じた結果だった。
自分自身がそうだったように、成り上がる侍たちの背中をグッと押した。13年WBCでは、直前合宿で33人が招集され本大会で28人に絞られた。首脳陣からは「半分コーチの気持ちでやってくれ」と、コーチ用のノートまで手渡され、戸惑いもあった。合宿中の実戦では1打席も立たず、メンバーに残った本心は「本当にいいのかな?」。けが人が出たことで得た出場機会で結果を残して定位置獲得。2次ラウンド台湾戦、1点を追う9回2死二塁での同点適時打を呼び込んだのは、自らのバットだった。
「1人じゃなくて、2人3人、(ラッキーボーイが)出てくれると助かるね。5人くらいでないかな」。試合前のミーティングでは「元気よく返事してください!」と高校野球さながらに、スタメン1人1人を名前で呼んで送り出した井端監督。世界大会4連覇へ、大きな1歩を力強く踏み出した。【栗田成芳】