【阪神】大山悠輔「すごく悩んだ」FA行使「他球団の評価聞きたい」すでに阪神は複数回の残留交渉
阪神大山悠輔内野手(29)がFA(フリーエージェント)申請締め切り日となった13日、今年4月に初取得した国内FA権を行使したことを発表した。
甲子園球場内の施設で取材対応し、「他球団からの評価を聞きたいのが一番の理由」と胸中を説明。今日14日にFA宣言選手の1人として公示される。すでに巨人が獲得調査を進めており、交渉解禁日の15日を待って獲得交渉に乗り出すとみられる。残留か他球団移籍か、期限を設けずに「納得した決断」を導き出す。
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大山は背筋をピンと伸ばしたまま、丁寧に言葉を紡いだ。なぜFA宣言したのか? 一番の決め手を問われると、偽らざる胸中をよどみなく明かした。
「やっぱり(プロで)8年間やってきて、今の自分が他球団の方からどういう風に思ってもらえているのか、評価されているのかを1度聞いてみたいとずっと思っていた。それを聞ける1つのタイミングでもある。他球団からの評価を聞きたいのが一番の決断理由かなと思います」
FA権を行使するか、否か。申請期間最終日の前日12日まで熟考を続けた。「毎日毎日、どうしたらいいのか、いろいろなことを考えながら過ごしていました。本当にすごく悩みました」。何度となく愛妻とも話し合い、最後は一野球人としての欲求に従った。前日のうちに藤川監督にも電話で報告。新指揮官からも意思を尊重され、堂々とFA市場に打って出る。
すでに阪神とは複数回に渡って残留交渉を行い、5年前後の大型契約で強く慰留されている。「残ってほしいという言葉をいただけましたし、いろいろ話をさせていただいた中で思い、気持ちも伝わってきました。本当に感謝しています」。一方、他球団では巨人が獲得調査を続けており、交渉解禁日の15日を待って獲得交渉に乗り出すとみられる。
前代未聞のTG争奪戦へ注目度は高まるばかりだが、本人は至って冷静だ。「野球人生において、すごく大きな決断のタイミングだと思うので、慎重に時間をかけて考えさせていただきたいと思います」。当然、宣言残留も選択肢の1つとなる。移籍ありきではなく、あくまでフラットな状態で新たな熟考に入る。
決断に向けて重視するポイントについては「それは自分の中でたくさんあるので」と話すにとどめた。「しっかり納得して決断したいので、時間というところに決まりはないかなと思います。(決断が)どのタイミングになるかはまだ分からない。いろいろ考えて悩んで決めたいと思います」。期限は設けない。悔いのない結論へ、丁寧に歩みを進めていく。【佐井陽介】