FA権行使を表明した阪神大山(撮影・前田充)

国内FA権の行使を決断した阪神大山悠輔内野手(29)が13日、甲子園を訪れ、心境を明かした。

この日が申請期限の最終日。今オフのFA市場の目玉ともいえる4番打者は、まっすぐ前を見つめて報道陣の問いかけに答えた。

「やっぱり8年間やってきて、今、自分が他球団の方からどういう風に思ってもらえているのか、評価されているのか、というのを1度聞いてみたいと、ずっと思っていた。それを聞ける1つのタイミングでもあると思う。一番の決断理由かなと思います」

8年目の今年、4月に初めて国内FA権の取得条件を満たした。押しも押されもしない主軸選手だけに、阪神からは何度も引き留めがあった。

「残ってほしいという言葉をいただけましたし、いろいろ話をさせていただいた中で、気持ちも伝わってきましたし、本当に感謝しています。でも、やっぱり個人として、まずは他球団の評価を聞いた上で、しっかり悩んで決断したいという気持ちがあったので、行使を決めさせていただきました」

高知・安芸で秋季キャンプ中の藤川球児監督(44)にも電話で会話を交わしたという。「いろいろな話をさせていただきましたし、それも含めてしっかり考えたいと思います」と内容については明かさなかった。

ドラフト1位入団の重圧をはねのけ、8年間で主力に成長。ファンからも認められる存在になった。ファンへの思いを聞かれると、こう答えた。

「たくさん成長させていただきましたし、毎日あれだけ甲子園が満員になって、あれだけの人の前で野球ができる、プレーができるということは本当に幸せなことだと思う。その幸せやありがたみは毎日毎日感じてプレーしていたので、その感謝はあります。これから決断するにあたって、いろいろあると思うので、すべてが決まった時にしっかり報告できるようにしたいと思います」

白鴎大からドラフト1位で入団。右の強打者としてチームを背負ってきた。昨年は初めて全試合に4番で先発。最高出塁率のタイトルを獲得して、リーグ優勝に大きく貢献した。今季も不振に苦しみながら主に4番として打線の中心に座った。得点圏打率3割5分4厘はチームトップだった。

堅実な一塁守備、チームへの献身的な貢献にも定評があり、他球団が獲得に乗り出すことは確実。今季の推定年俸は2億8000万円。チーム3位以内のため、移籍先への補償が生じるAランクになるとみられる。

15日から国内全球団との交渉が解禁される。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】FA宣言の大山悠輔、視線まっすぐ「評価を聞いて、しっかり悩んで決断したい」