【阪神】坂本誠志郎が残留決断 行使すれば複数球団による争奪戦可能性も、国内FA権を封印
阪神坂本誠志郎捕手(31)が今季初取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せずに残留することが12日、分かった。13日に発表される。
昨季終盤は正捕手格の働きで18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一に貢献。今季も梅野と併用される形でチームを支えた。球界屈指の頭脳派捕手として定評があり、仮に権利を行使すれば、複数球団による争奪戦となる可能性もあった。全力で慰留を続けた球団に朗報が届いた。
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坂本が節目のプロ10年目となる来季、再び縦じまユニホームに袖を通す。球界関係者によると、この日、今季初取得した国内FA権を行使せずに残留することを決断。13日に発表される。梅野と並ぶ虎の正捕手格が、25年もタイガース投手陣を引っ張り抜く。
15年ドラフト2位入団。9年間過ごしたチームに対する愛着は強かった。一方で他球団の評価を聞けるチャンスも野球人生で限られている。今月4日には報道陣に囲まれ、「もちろんドラフトでタイガースに縁があって入って、いろんな恩もありますし。いっぱい考えて悩んでいるところです」と胸中を明かしていた。仮に権利を行使すれば、複数球団による争奪戦となる可能性もあった。それでも最後は猛虎を選んだ。
タイガースにとっては精神的支柱の1人とも表現できる。理路整然としたクレバーかつ大胆なリードには定評があり、フレーミングはかつてパドレス・ダルビッシュが高評価したほどのレベル。昨季は梅野が負傷離脱した8月中旬以降に正捕手格でフル稼働し、虎をリーグ優勝、日本一に導いた。今季も梅野とスタメンマスクを分け合いながらチームを支えた。21年オフには選手間投票で主将に任命されており、リーダーシップも含めて他球団からも注目される存在だった。
藤川新監督とは現役時代から積極的にコミュニケーションを図っており、新体制1年目の25年も決して欠かせないプレーヤーに違いない。将来の幹部候補生とも目される頭脳派捕手の残留。球団にとっても何よりの朗報となった。
◆坂本誠志郎(さかもと・せいしろう)1993年(平5)11月10日生まれ、兵庫県出身。履正社では2年夏と3年春に甲子園出場。明大から15年ドラフト2位で阪神入り。履正社、明大、大学日本代表と主将を務めた。23年にはゴールデングラブ賞を受賞し、阪神日本一の立役者に。176センチ、80キロ。右投げ右打ち。