健闘を誓う日本代表・井端監督(左)と豪州代表・ネルソン監督(撮影・上田博志)

侍ジャパンが、井端弘和監督(49)の原点の地・名古屋から世界の頂点へ駆け上がる。「ラグザス presents 第3回プレミア12」1次ラウンド・オーストラリア戦(13日、バンテリンドーム)戦に向けて12日、公式練習で調整した。相手のニルソン監督とは、中日選手時代にレギュラー獲得のきっかけになった間柄だった。“因縁”の相手から、場所も同じバンテリンドームで始まる4大会連続世界一への戦い。11日夜には全28選手が名古屋市内の焼き肉店で験担ぎの決起集会を開催。結束を深めて、天下取りへ向かう。

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両監督、肩を並べて24年前を回想した。前日会見に臨んだ井端監督があえて愛称で呼んだ。「ディンゴ選手(ニルソン監督)の代走、守備固めでプレーして野球人生がスタートした。監督をやらせてもらっているのもディンゴ選手がきてくれたから。感謝の気持ちでいっぱいですし、明日全力でやりたいと思います」。隣に座るニルソン監督への感謝は本音。00年、運命が変わったのはメジャー・ブルワーズから中日にきたディンゴのおかげだった。

かつて同じユニホームを着ていた2人の立ち位置はまるで違った。大卒プロ3年目で、前年1軍出場ゼロの崖っぷち。一方、バリバリのメジャーリーガーが鳴り物入りで入ってきた。内野が本職ながら、守備固めの起用を模索した当時の星野監督から「外野やったことあるか?」と聞かれ「あります!」と即答したが、実際はほとんどやったことがなかった。外野で途中出場し、終盤まわってきた1打席をモノにして、入れ替わるように5月からレギュラーに定着。「その1打席のチャンスをいただいてスタメンになった。感謝してます」。足掛かりが、ディンゴの存在だった。

監督の立場になって、星野監督の思惑を想像する。「使う気があったから言われたと思う。(できないって)言える環境じゃなかったしね。下手したらキャッチャーでも『やります!』っていうぐらいの勢いはあった」。プレミア12開幕戦、座るのはその星野監督と同じバンテリンドームの一塁側ベンチ。反対のベンチにはディンゴがいる。「このプレミア12も初戦から、このような形でスタートできるのは縁を感じます」。きっかけを自力でつかんで切り開いてきた野球人生。世界一への道のりも、勝って切り開いて見せる。【栗田成芳】

◆国際大会連勝中 侍ジャパンは19年に行われた第2回プレミア12のスーパーラウンド、メキシコ戦から同大会の最後に3連勝。その後も21年東京五輪(5連勝)、23年WBC(7連勝)、同年アジアプロ野球チャンピオンシップ(4連勝)と無敗で乗り切り、強化試合を除いて国際大会19連勝中だ。

<侍ジャパン予想スタメン>

1番左翼・桑原将志

2番二塁・小園海斗

3番中堅・辰己涼介

4番右翼・森下翔太

5番三塁・栗原陵矢

6番一塁・牧秀悟

7番DH・清宮幸太郎

8番遊撃・紅林弘太郎

9番捕手・坂倉将吾

投手・井上温大

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【プレミア12】侍井端監督「感謝の気持ち」豪ニルソン監督は中日時代レギュラー獲得のきっかけ