9月29日 ロッテ吉井監督(後方)から見守られながら調整する佐々木朗希

ロッテ吉井理人監督(59)が、米大リーグ挑戦を表明した佐々木朗希投手(23)のメジャー流登板間隔への適応に太鼓判を押した。秋季練習最終日の12日、ZOZOマリンで対応。球団からポスティングシステムでのメジャー移籍を目指す右腕の心情に理解。メジャーのマウンドを知る自身の経験も踏まえ、最速165キロ右腕へエールを送った。

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指揮官が夢を追う若き右腕に、エールを送った。吉井監督は国内球団からの誘いがあった中、FA権を行使し、挑戦の道を進んだ。米国では5年間、MLB通算162試合に登板した。「自分が行ったのは32才だったかな。アメリカ行ってみてものすごく楽しかったんで、これは行けるもんならできるだけ早く行ってほしいというか、行きたいなっていう思いが自分の中にあった」。だからこそ、佐々木の思いを理解した。

佐々木は当時の指揮官よりも9歳若く、海を渡る。「おっさんになってある一定のレベルで行くのと、これから伸びていくレベルで行くのでは苦労は全然違うのかもしれない。それも含めて彼は楽しんでやってくれるんじゃないかな」と期待。「(道のりは)厳しいと思いますよ」と、愛あるエールも添えた。

ロッテ時代の5年間、佐々木はシーズンで中5日以下の間隔で先発したことはない。米国では最短で中4日での登板もあり得る。入団当初からコーチ、監督として見守ってきた指揮官は「そこの準備ができているかと言えば正直、マリーンズにいるときにさせてないので分からない」と前置きしつつ「ただ自分の経験で言うと慣れればできます。それに今はメジャーは中4よりも中5、6の方が多くなっているので彼は対応できると思う」と語った。

西野がFA権を行使せずに残留を表明したが、佐々木の穴は大きい。だが「大きなケガさせずに、旅立ってくれるのはホッとしてます」と、まなざしは温かい。「1人で埋めるのはなかなか難しいと思うんで、みんなの力で埋めていきたいと思います」。チーム一丸で戦っていくことに変わりはない。【星夏穂】

◆佐々木朗希を狙う主な球団 大谷、山本が所属するドジャースが大本命と見られている。ヤンキースはブーン監督が「メジャーの先発ローテでエースになれるレベル」と絶賛。パドレスは、佐々木が尊敬するダルビッシュが在籍している。カブスはホイヤー編成本部長が、メッツはスターンズ編成本部長が来日して視察済み。このほかジャイアンツ、ブルージェイズ、レンジャーズの名前が球界幹部の間で挙げられている。前記以外で日本最終登板を視察した球団はフィリーズ、アストロズ、レッドソックス、レイズ。

○…佐々木朗希とドジャースの「密約」説を球団と代理人が否定したと、USAトゥデー紙のボブ・ナイチンゲール記者が11日付の記事で伝えた。米球界には、両者の間で契約の密約が約1年前からあるとうわさされているという。だが「ド軍とササキの代理人ジョエル・ウルフはこれを強く否定している」と伝えた。ウルフ氏はドジャース山本やメッツ千賀の代理人も務めており、今後の動きが注目される。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ロッテ】“先輩”吉井監督、佐々木朗希にエール「苦労は全然違うかも」最短で中4日登板も