キーマンは「自分」…楽天ドラ1明大・宗山塁、76年ぶり早大とV決定戦「勝負どころで結果を」
楽天ドラフト1位で主将の宗山塁内野手(4年=広陵)が4年間の集大成をかけて戦う。東京6大学野球リーグの明大が11日、東京・府中市の同校グラウンドで、早大との優勝決定戦を翌日に控え、練習を公開した。明大-早大の優勝決定戦が行われるのは76年ぶり。宗山は3季ぶり44度目のリーグ優勝のキーマンに「自分」を挙げた。
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練習後、明日のキーマンを聞かれた宗山は「自分っすかね(笑い)」と、自分を指名した。チームでの役割は十分に理解している。「自分が打てば点が入る。どんな形でもいいので、相手よりも1点を多くとるために、打撃でも守備でも勝負どころで結果を出したい」。いつもは謙虚な発言が多いだけに、優勝決定戦への強い気持ちがあらわれていた。
準備万全で本番を迎える。午前8時半からアップを開始。ランメニュー、キャッチボールにノック。シートバッティング。同11時からのバッティングでは約15分間、ケージに入り打ち込んだ。「動きと、体がどんな感じで仕上がってるかを確認した。この後もトレーニングでいい状態に仕上げたい」。4日に法大との熱戦を終えて1週間。その間、首位早大が1勝でもすればV消滅という圧倒的不利な状況で、1度はあきらめかけた優勝だった。「元々なかった試合。もう1試合できるのがうれしい。自分たちの試合で優勝を決められるのは幸せなこと」と、感謝した。
10日の早慶戦は午前中の練習を終え、午後から寮の部屋で動画配信で観戦。途中からは食堂でチームメートとともに喜びを分かち合った。今は一発勝負のプレッシャーよりもチームメート、そして今季で退任を発表している田中武宏監督(63)の下で試合ができることが楽しくて仕方ない。「勝って終わりたい。最高の形で監督を送り出したい」。恩師への感謝を、勝利で表すつもりだ。
慶大のプレーにも発奮した。リーグ戦5位確定のチームが、気持ちで敵を圧倒する姿に技術を上回る強さを感じた。「自分たちも4年生の力を見せたい」。今年春秋の早大戦は6試合を戦い1勝4敗1分けと完敗も、引くつもりはない。「勝ちたい気持ちと、落ち着いてやれるかがカギ」。野球の神様がくれた大きなチャンスをものにする。【保坂淑子】
○…今季で退任を発表している田中監督は「もう1度ユニホームを着られるなんて」と笑顔。選手たちには「挑戦権をもらえた。生かすも殺すもみんな次第。歴史的なゲームを経験できるのは本当に幸せ」と話したという。早大のエース・伊藤樹投手(3年=仙台育英)対策に「追い込まれてからの変化球は精度が高い。その前にどう仕掛けるか」とポイントを挙げた。
◆東京6大学リーグの優勝決定戦 斎藤佑樹(元日本ハム)が早大4年時の10年秋に慶大を下して以来、14年ぶり13度目。早大と明大の対戦は38年春、48年春に次いで76年ぶり3度目となり、過去は1勝1敗。38年春は明大・清水秀雄(元洋松)が完封し、リーグ史上初の4連覇につなげる3連覇を達成。当時の明大主将は甲子園で中京商のエースとして夏3連覇に貢献した吉田正男だった。48年春は早大が雪辱。のちに中日などでプロ通算215勝を挙げた杉下茂に9安打を浴びせて攻略し、リーグ歴代3位の44勝の記録を持つ末吉俊信(元毎日)が3安打で完投勝ちした。