日本対チェコ 1回裏、登板する日本先発の早川(撮影・森本幸一)

<ラグザス 侍ジャパンシリーズ2024:侍ジャパン9-0チェコ代表>◇10日◇バンテリンドーム

侍ジャパン早川隆久投手(26)が、後継者のバトンを受け取った。10日、「ラグザス presents 第3回プレミア12」に向けた強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2024 日本VSチェコ」第2戦に先発し、2回1安打5奪三振に封じた。自主トレに同行するなど慕っていた前ソフトバンク和田毅氏(43)がゲスト解説で来場。早大出身、左腕、背番号21と共通点の多い師匠の前で、侍左腕の存在感を示した。チームはプレミア12開幕戦オーストラリア戦(13日、バンテリンドーム)を前に2連勝で締めくくった。

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中16日も関係ない。早川は黙々と左腕をうならせた。10月24日のみやざきフェニックス・リーグ以来の実戦登板。初回先頭打者に左翼線二塁打を浴びたが、2番エスカラ、3番フルプを連続三振。2イニング目は3者連続空振り三振だ。「久々の打者との対戦で無失点に抑えることができてよかった」。立ち上がりから奪三振ショー。本番となるプレミア12に向けて弾みをつけた。

尊敬する師匠への恩返しだった。この日はテレビ中継のゲスト解説で、ソフトバンクでプレーし今季限りで現役を引退した和田氏が球場を訪問。早川は22年から長崎を拠点とする和田氏の自主トレに参加しており、同じ早大、左腕、背番号21と共通点も多かった。和田氏が引退を表明した際には「自分の中で目指すべき目標でもあった。なんていうか、心の中に穴があいた感じです」とショックを隠しきれなかった。

その一方で、必死に前を向いたのも事実。侍ジャパンの一員として世界一に貢献することが和田氏への謝儀だと理解している。試合前には和田氏も早川について「(侍ジャパン監督の)井端さんもすごく期待してましたよ」と、うれしそうだった。自身も08年の北京五輪で日本代表を経験した。現代の日の丸を背負うかわいい弟子に「将来は彼らが日本代表を担っていく投手。頑張ってほしいね」と背中を押した。師匠の“御前試合”で力投を見せた早川。後継者のバトンをしっかり受け取った。

2回30球を投げ、1安打5奪三振、無失点。完璧に近い投球内容だが「課題も見つかったので、大会までの数日間で克服していけるように調整します」と慢心はなかった。先発ローテの一角として期待される左腕が、井端監督を安心させた。【只松憲】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【侍ジャパン】早川隆久2回5K無失点好投 同じ早大左腕で背番号21、尊敬する和田毅氏へ恩返し