岡田武史氏(2023年11月30日撮影)

<明治安田J3:鳥取0-5今治>◇10日◇第36節◇Axis

元サッカー日本代表監督の岡田武史氏(68=日本協会副会長)が会長を務めるFC今治が、J2昇格を決めた。

敵地でガイナーレ鳥取に5-0で完勝。2試合を残して3位カターレ富山との勝ち点差を7以上に広げ、自動昇格圏の2位以内を確定させた。2度のFIFAワールドカップ(W杯)指揮を経て、岡田氏が14年10月に経営参画してから10年。国内5部相当の四国リーグからJFL、J3と駆け上がり、来季は初のJ2舞台に挑む。

元日本代表の服部年宏監督(51)が就任1年目でノルマを達成した。岡田氏とともに98年W杯へ挑んだDF。02年の日韓大会もMFで日本代表に選ばれた守備職人が、今季就任すると、前節まで19勝7分け9敗の勝ち点64を積み上げた。最後は、古巣の鳥取を相手に宿願を成就し、胴上げされた。

采配の期待に応えたのはエースだ。背番号10のFWマルクス・ビニシウス(26)が前半7分に先制PKを決め、得点ランキング1位タイに浮上すると、後半2得点でハットトリック。単独トップに立つ18点目でチームをけん引した。

ビニシウス「加入から3年間、J2昇格のために闘ってきたので本当にうれしい。みんなが頑張ったから成し遂げられました。(得点ランク1位に)個人目標なので残り試合も達成できるように、やり続けたいと思います」

MF三門雄太主将「なかなか果たせなかったんですけど、果たすことができてホッとしています。ここ何試合か、自分が入った時は、ギアを上げられるように準備していました。前節の琉球戦も含め、自分が入ったことで得点を動かすことができて良かった。(敵地に詰めかけた約500人に)会場に着いた時から分かっていましたし、今シーズンも、いいことばかりではなかったんですけど、応援のおかげで成し遂げられたなと思います」

服部監督「とにかく今年の目標であった、優勝はできなかったんですけど、昇格というものを手にすることができてホッとしたのが一番です。本当に苦しい時にファン・サポーターに支えていただいて、背中を押していただいて、取れた勝ち点もありました。ありがとうございました。そして、おめでとうございます」

J2昇格に王手をかけて1戦目。勝てば文句なしだった試合で、一発で勝ち切った。過去1分け3敗だった鳥取アウェーで初白星。鬼門を破り、J2への扉を開いた。

◆FC今治 1976年(昭51)に大西サッカークラブとして設立。12年にJ3愛媛の下部組織から独立し、現名称に。14年11月、岡田氏が運営会社「今治.夢スポーツ」の株式51%を取得してオーナーになる。16年にJリーグ百年構想クラブ。かつては駒野友一や橋本英郎も在籍した。クラブカラーは青。所在地は愛媛県今治市高橋ふれあいの丘1の3。矢野将文社長。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【今治】岡ちゃんJ2昇格!教え子の服部年宏監督「おめでとうございます」古巣鳥取に完勝胴上げ