慶大・清原正吾「自分の全てを懸けて、体がボロボロになる覚悟」早慶戦で大学野球に終止符
今年のアマ球界をわかせた慶大・清原正吾内野手(4年=慶応)が“最後”の舞台に挑む。慶大はすでにリーグ戦5位が決定。プロ通算525本塁打を誇る清原和博氏(57)を父に持つサラブレッドも、9日からの早慶戦で大学野球に終止符を打つ。NPBドラフトでは指名されず、多くの誘いもある中で野球継続は未定。早慶戦に全てをかけ、その先の人生を決める。
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慶大の4番打者を張った男のまざなしは、圧倒的だった。早慶戦でも両親が観戦するかもしれない-。そんな問いかけに清原は「ほんとに…僕の最後の勇姿を目に焼き付けてもらいたいですね」と言った。逃げずに目を合わせてきた。
最後の勇姿-。かつての父と同じNPB入りへの夢がこの秋はかなわず、野球を継続するかはまだ決めていない。前後の文脈では「大学野球最後の」とも言っているものの、週末の戦いに想像を超える思いの強さを持っている。
「最後の最後、後悔なく終われるように。自分の全てを懸けて、体がボロボロになる覚悟で最後の最後まで1打席1打席、1球1球をかみしめながら打席に入りたいと思っています」
かつて「泥水を飲む覚悟」と言った父と重なるような強さだ。中高と6年間のブランクを経て、慶大で野球を再開した。この日の打撃練習でも右中間を中心に51スイング中23本が安打性。振りながら「ソリャッ!!」と叫んだ。自身も「素人同然」と懐かしむ入部当時から4年をかけ、名門の東京6大学リーグでリーグ戦2本のアーチを架けるまでに。記念球はすでに父と母に1球ずつ渡した。
ドラフト会議で指名はなかった。NPB2軍と対戦するオイシックスや、熱烈アプローチのBC栃木をはじめ独立リーグなど9球団が慶大側に正式オファー。しかし早慶戦に燃える本人の意向もあり、面談などは未定だ。清原は“就職浪人”などの選択肢も周囲に伝えてきた。道の続きは、神宮で残り10前後の打席をこなした先にある。「ホームランは目指すところではありますし、あとは今までの感謝を込めて全力でプレーするので、そこを見てほしいです」。4番ファースト清原。超満員の早慶戦で出し尽くす。【金子真仁】