NTT西日本対Honda NTT西日本先発の伊原(撮影・上田博志)

阪神ドラフト1位のNTT西日本・伊原陵人(たかと)投手(24)は、ほろ苦の社会人ラストマウンドになった。日本選手権1回戦のホンダ戦に先発。3回1/3で5安打4四死球2失点でKOされた。「調子は悪くなかった。打たれてしまうのは何か足りないということなので、まだまだ自分の実力不足かな」と悔しさを押し殺した。

初回にいきなり、名刺代わりの剛球を投げ込んだ。2死走者なしで迎えた3番への初球。左打者の内角へ自己最速タイの149キロをズドンと決めた。「とにかく真っすぐで押していくのが今年のスタイル」と迷わず腕を振った。

暗転したのは0-0の3回。先頭の四球から1死一、三塁とされ、中前打と犠飛で2点の先制を許した。4回は長短打と死球で1死満塁のピンチを招いて無念の降板。「先発としてチームを代表して投げているので、試合運びをうまくできなかったところは力不足。制球の面はいつも通りできたかと問われると、100点満点できたとは答えられない」と持ち前の制球力を欠く苦しい投球になった。

大商大の後輩たちがスタンドに駆けつけたが、阪神入り前最後のマウンドは悔しい結果に。それでもNTT西日本での2年間でドラフト1位で指名されるまでに成長。「試合にたくさん投げさせてもらったことが一番大きい」と感謝した。

社会人で果たせなかった日本一はタテジマで。「課題は山ほどある。それを1つずつつぶしながら、プロの世界で日本一を目指したい」。170センチ左腕は苦い教訓を生かして、大きく羽ばたく。【林亮佑】

◆伊原陵人(いはら・たかと)2000年(平12)8月7日生まれ、奈良県出身。八木中では軟式野球部に所属。智弁学園3年春に甲子園出場。大商大4年時には、ドラフト指名漏れを経験した。NTT西日本を経て、24年ドラフト1位で阪神の指名を受けた。趣味アニメ鑑賞で、お気に入りは「戦闘系」。170センチ、77キロ。左投げ左打ち。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 阪神ドラ1のNTT西日本・伊原陵人ほろ苦の社会人ラストマウンド「まだまだ自分の実力不足かな」