騒ぎに乗じてスニーカーを強奪する暴徒(ロイター)

米大リーグのドジャースがニューヨーク・ヤンキースを破って4年ぶり8度目のワールドシリーズ優勝を飾った10月30日夜、地元ロサンゼルスでは優勝を祝うファンの一部が違法花火を打ち上げ、道路を占拠するなどして暴徒化し、武装した警察官と衝突。バスに火を放ったり、複数の店舗で略奪が起こるなど街は大混乱に陥り、逮捕者が出る騒ぎに発展している。

ドジャースタジアムの入り口付近には大勢のファンが集まって優勝を祝っていた他、ダウンタウンにあるNBAレイカーズの本拠地クリプト・ドットコム・アリーナ前の道路も大勢のファンで埋め尽くされ、暴動鎮圧の装備を身に着けた警察官が出動する事態となった。路上では車が違法スタント走行を行い、警察官に物を投げつける人もでるなどカオス状態になった。

ダウンタウンにあるスポーツ用品店では、午後11時過ぎに暴動に備えてべニア板で覆われていたガラスドアを破壊して集団が店内に侵入。スニーカーなど商品を次々と略奪し、駐車していた車に盗品を投げ込む様子がカメラに捉えられ、拘束された人数は不明ながら逮捕者が出ていると地元メディアは伝えている。他にもロサンゼルス市内で複数の建物が破壊され、略奪が起きていると報じられている。

また、日付変わって午前0時半すぎにはドジャースタジアムからおよそ1・6キロの路上で200~300人の群衆がバスを取り囲み、火をつける事件も起きている。ネットに投稿された動画では、ドジャースのユニホームやアパレルを着た集団が、バスを占拠して落書きしたり、ドジャースの旗を手にバスの上に乗って記念撮影するなどしている。報道によると、バスには運転手と乗客5人が乗っていたが、放火される前に脱出して全員無事だったという。

31日朝にロサンゼルスに凱旋(がいせん)したドジャースは、11月1日にドジャースタジアムで有料の優勝イベントを開催するほか、ダウンタウンでパレードを行って市民と一緒に勝利を祝うことになっている。ロサンゼルス市は、混乱を避けるためパレード当日は市民にダウンタウンへの立ち入りを自粛するよう求め、自宅でリモートワークを行うよう呼びかけている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 ロサンゼルスの狂騒!?ドジャース世界一で優勝を祝うファンが暴徒化、逮捕者が出る騒ぎも