【沼津】元日本代表MF伊東輝悦が今季限りで現役引退 50歳、J通算560試合出場の鉄人
J3アスルクラロ沼津の元日本代表MF伊東輝悦(50)が31日、今季限りでの引退を発表した。沼津市内で行われた記者会見で自ら表明した。93年のJリーグ開幕から清水エスパルスでプレーし、今年でプロ32年目。計5クラブ、J1からJ3までの全カテゴリーでプレーした大ベテランがスパイクを脱ぐ決断をした。
Jリーグの歴史とともに歩んできた「鉄人」だった。伊東は93年からJリーグ一筋でプレーしてきた唯一の選手。清水では不動のボランチとしてチームを支えた。96年アトランタオリンピック(五輪)ではブラジルから決勝点を奪う「マイアミの奇跡」を起こした。日本代表でも98年W杯フランス大会に出場した。
長いプロ生活で複数年契約を結んだのはたった1度だけ。毎年「単年」で勝負してきた。Jリーグ開幕から30年を迎えた昨年5月には「あと少ししか(現役を)できないことはさすがに分かっている」と話し、自身の引き際についても「練習をしていてしんどい気持ちが上回ったら辞めると思う」と語っていた。
直近の2シーズンでリーグ戦の出場はゼロ。出番がなくても試合に向けてコンディションを整え、練習では常に100%を出す姿勢は若手の手本にもなっていた。長く現役を続けられた理由は「単純にサッカーが好きで、サッカーが楽しいから」。大好きなサッカーに真剣に向き合い、Jリーグ通算560試合出場。「テル」の愛称で多くのファンに愛された唯一無二のレジェンドが、今季限りでピッチを去る。