練習を終えインタビューする日本ハム清宮(撮影・上山淳一)

侍ジャパン清宮幸太郎内野手(25)が、ロマンの香りを漂わせて初日を終えた。「ラグザス presents 第3回プレミア12」に臨むチームは29日、宮崎キャンプをスタート。19年3月に1度招集されながら右手骨折で辞退したため、今回がプロ入り初侍の清宮が、大人とロマンが同居するような、華のある存在感を見せた。“4番なき侍打線”の主軸に入る新4番候補の可能性を秘め、11月13日の開幕戦を見据え、定位置獲得へのアピールが始まった。

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打撃ケージ裏のささやきにも、力むことはなかった。清宮が臨んだフリー打撃。「いいバッティング見せてもらおうかな」。井端監督の言葉にも、初球は逆方向の左翼へライナー性の打球から始まった。全方向に打ち分けて、ミート力ある52スイングを披露。「圧をかけられました。そんな(自分は)たいしたもんじゃないですって感じです」。謙遜しながらも、華のある打撃はひときわ際だった。

18歳で着ていた頃と、侍ユニホームの重みはまるで違った。17年9月のU18W杯以来、袖を通し「トップは桁違い。すべてのプロ野球、野球人を代表して戦っているわけなんで、そこの重さは相当ある」。背番号は3。室内でのシートノックでは、一塁と三塁に入って守備練習をこなし「まだ慣れないですね、やっぱり。ソワソワしてます」と緊張の初日を終えた。

追加招集での選出は、自らたぐり寄せた結果だった。今季は春季キャンプでけがをして出遅れたものの7月から覚醒。絶好調の要因は“間”にあった。左足から右足へ体重移動すると同時にトップをつくることで間を生み出し、「やっぱバットが出やすくなったっすね。変なとこに力も入れず、素直に振れるようになったのかな」。タイミング力を身に付けて確実性もアップ。規定打席未達も、打率3割超えでフィニッシュした裏には、理由があった。

岡本和が離脱した“4番なき侍打線”が、清宮によって一気に活性化する可能性を秘めている。牧、森下とともに4番候補に挙げられ「アピールは大事。でも自分らしく。気負い過ぎても、と思うんで。自分らしく自分のプレーができるように準備できれば」。25歳にしてつかんだプロでの初侍。大人な一面の一方で、ロマンの香りを漂わせる清宮が、侍の舞台にようやく1歩踏み入れた。【栗田成芳】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【侍ジャパン】清宮幸太郎、ロマンの香り漂わせ初日終了 新4番へ華のある存在感52スイング