ドジャース対ヤンキース 7回裏、盗塁を試みた際に負傷した左腕付近を抑えるドジャース大谷翔平 (AP)

<ワールドシリーズ:ドジャース4-2ヤンキース>◇第2戦◇26日(日本時間27日)◇ドジャースタジアム

【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)26日(日本時間27日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)をアクシデントが襲った。「1番DH」で出場したヤンキースとのワールドシリーズ第2戦で、7回2死から二盗に失敗。スライディング時に左肩を痛めた。ロバーツ監督によれば亜脱臼で、MRI検査の結果を待ち、今後の出場を判断することとなる。チームは先発の山本由伸投手(26)の力投と打線の3本塁打で粘り勝ち、本拠地でシリーズ2連勝スタートとなった。1日移動日を挟み、第3戦から敵地ヤンキースタジアムで3連戦が行われる。

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世界一まであと2勝。第3戦で大谷が出場できることを、ロバーツ監督を含めてチームメートたちが願っている。同監督は試合後、左肩の亜脱臼と明かした上で前向きな言葉を並べた。「彼がラインアップ(打線)に入ることを見込んでいる。左打者にとっては、右肩より左肩の方が影響は少ない」。負傷後、動作のテストを行い「強度も可動域も良かった。検査の結果が出るまで何とも言えないが、ポジティブな状況だと思う」と期待を寄せた。

大谷は7回2死から二盗に失敗。スライディングの際についた左腕を引きずり、肩が外れかけた。痛みに顔をゆがめ、しばらく立ち上がれなかった。球団トレーナーに左腕を支えられながら、ダッグアウト裏へ。試合終了から2分後にはTシャツ姿でクラブハウスから引き揚げ、患部を動かさないように足早に球場を後にした。ロバーツ監督は「今夜か明日に精密検査(MRI)を受ける。1~2日でより詳細が分かる」と説明。明確な結論は避けた。

第3戦はニューヨークへの移動日を挟み、中1日の猶予がある。今後はできる限りの処置と回復具合を判断し、出場の可否を決めることとなる。シーズン中であれば、大事をとって欠場するケースが妥当だが、残り試合を考えれば最大限、出場の可能性を探るとみられる。20年にド軍に在籍していた左の強打者ベリンジャーはポストシーズン中に右肩を脱臼したが、ワールドシリーズ制覇まで強行出場を続けた例もある。

一方で肩の脱臼は癖になりやすく、出場を見送る可能性もある。仮に断念となった場合でも、今季のド軍は主力選手の故障や離脱を全員で乗り越えてきた。その中心にいたのが、大きな故障なく鉄人ぶりを発揮してきた大谷だった。この日、2試合連続の本塁打を放ったフリーマンは選手たちの思いを代弁した。「自分が離脱していた時も、みんながカバーしてくれた。今回も同じことができれば」。大谷が手負いとなることは避けられない。だが、頂点まであと少し。チームの結束力は、何より心強い。

▼ド軍山本「状態は分からないですけど、戻ってくることを信じています」

▼ド軍エドマン「大きな痛手。早く復帰できることを願っている。我々は彼のために祈りを送っている」

▼ド軍ベッツ(大谷抜きで今後戦う可能性に)「チームには自信を持っている。僕らは素晴らしいグループ。自分たちのやるべき仕事を果たす」

▼ヤ軍ジャッジ「球界最高の選手があのように負傷するのを見るのはつらい。無事であることを願っている」

◆タティスの故障 パドレスのフェルナンド・タティス外野手は21年4月にスイングした際に左肩を亜脱臼。この年は少なくとも左肩を4度亜脱臼し、キャリア最多の42本塁打を放つも130試合の出場にとどまった。同年オフに手術を打診されるも回避したが、翌22年は故障と禁止薬物による出場停止で出場できず、9月に左肩関節唇を手術。全治4~6カ月で、23年のキャンプには通常通り参加した。

◆ベリンジャーの故障 20年リーグ優勝決定シリーズ第7戦で当時ドジャースのコディ・ベリンジャー外野手(現カブス)が決勝ソロを放ち、ホームイン後に同僚E・ヘルナンデスと腕同士をぶつけ合って祝福した際に右肩を脱臼。ワールドシリーズでは全6試合にフル出場したが、計22打数3安打と低迷した。過去にも右肩を負傷しており、11月に右肩関節唇を手術。全治10週間で、翌年3月のキャンプには間に合った。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 大谷翔平、左肩痛めるも「打線に入ることを見込んでいる」ロバーツ監督は期待 頂点まであと2勝