4点目を喜ぶバルセロナの選手(ロイター)

<スペインリーグ:レアル・マドリード0-4バルセロナ>◇第11節◇26日◇サンティアゴ・ベルナベウ

レアル・マドリードとバルセロナがサンティアゴ・ベルナベウで行われたスペインリーグ第11節で対戦した。

Rマドリードがバルセロナと公式戦のクラシコを戦うのは258回目。これまでの対戦成績は105勝52分100敗と勝ち越しており、現在4連勝中。スペインリーグのクラシコ成績は188試合79勝35分け74敗で、ここ2試合勝っている。

公式戦3連勝中、クラシコ4連勝中のRマドリードは首位バルセロナと勝ち点3差のスペインリーグ2位。アラバ、カルバハル、クルトワ、ロドリゴをけがで欠く中、4日前の欧州CLで大逆転劇を演じたドルトムント戦から3人変更。アンチェロッティ監督は新たにルニン、チュアメニ、カマビンガを先発起用し、ベリンガムを右サイドハーフ、エムバペとビニシウスを2トップに配す4-4-2に変更した。

イギリスのロックバンド「コールドプレイ」のロゴ入りユニホームを着用したバルセロナは、アラウホ、クリステンセン、ベルナル、テア・シュテーゲン、フェラン・トーレス、エリック・ガルシアの負傷者を抱えながらも、公式戦4連勝中と絶好調。フリック監督は圧勝した欧州CLのバイエルン・ミュンヘン戦から中2日と過密日程にもかかわらず、スタメン変更なし。スペインリーグの得点ランキングで2位に2倍差でトップに立つレバンドフスキ(12得点)をワントップに配す4-2-3-1で臨んだ。

試合は10度を切る今季最低の気温の中、満員のスタンドが白と紫に彩られてスタート。28日に発表予定のバロンドールにノミネートされている両チーム8人のうち、有力候補のビニシウス、ベリンガム、リュディガー、バルベルデ、エムバペ、ヤマルの6人がキックオフからピッチに立った(※今季絶望のカルバハルはスタンド観戦、ダニ・オルモはベンチスタート)。

両チームとも正GKを欠く状況下、Rマドリードが立ち上がりからビニシウスや初クラシコのエムバペのスピードを生かしてDFの裏を狙うも、欧州5大リーグで最も多くのオフサイドを誘発しているバルセロナの高いディフェンスラインに苦しめられる。対するバルセロナは13分、相手の隙を突いてヤマルが最初の枠内シュートを放つが、GKルニンの正面だった。

継続してバルセロナの背後を狙うRマドリードは22分、ビニシウスがオフサイドトラップを回避して左サイドを抜け出し、クンデとクバルシをかわしてシュートを打つが、惜しくも枠外。ラインを高めて勇敢に戦うも、Rマドリードのプレスに手を焼いたバルセロナは28分、フェルミン・ロペスがシュートを枠に飛ばすが、ルニンにセーブされた。

続く30分、Rマドリードに決定機が訪れる。ルーカス・バスケスのスルーパスに抜け出したエムバペがGKイニャキ・ペーニャの動きを見て、冷静にボールを浮かしてゴールネットを揺らすも、わずかにオフサイドだった。

前半はRマドリード優勢の展開となるが、バルセロナが高いディフェンスラインで次々とオフサイドトラップにはめていき(8回)、0-0で終了した。

後半は爆発的な攻撃力が鳴りを潜めていたバルセロナが先に動き、フェルミン・ロペスを下げてデ・ヨングを投入してスタート。そして9分、カサドのスルーパスをディフェンスラインギリギリで受けたレバンドフスキがコースを突く正確なショットで先制点を記録する。さらにその2分後、バルデの左サイドからのクロスをレバンドフスキが今度は頭で合わせ、わずか3分間で2点差にした。

後半になって劣勢となったRマドリードは悪い流れを変えるため、18分にチュアメニに代えてモドリッチを投入した。その1分後、エムバペにイニャキ・ペーニャとの1対1のチャンスが訪れるも失敗。さらに21分にエムバペがゴールネットを揺らすが、再びオフサイドを取られた。

両チームが攻め合うスピーディーな展開となる中、バルセロナはその直後に2回決定機を得るも、レバンドフスキが立て続けに外した。しかし32分、ラフィーニャのパスからヤマルが試合を決める3点目をマークすると、39分にラフィーニャがルニンの頭上を抜くループシュートで4点差にした。

258回目のクラシコは、オフサイドを12回誘発して4-0の圧勝を飾り、Rマドリードとの公式戦の連敗を4で止めたバルセロナに軍配が上がり、通算成績は101勝52分105敗となった。スペインリーグでの勝ち点差を6に開き、首位の座を確固たるものにした。

バルセロナの策に最後まで苦しみ続けたことに加え、決定機を何度も外したRマドリードは、リーグ戦43試合ぶりに黒星をつけられた。

(高橋智行通信員)

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 258度目のクラシコ バルサが敵地で大勝、レアルはオフサイド12回でリーグ戦43戦ぶり黒星