練習試合で安打を放つ桐光学園・森駿太内野手(24年6月撮影)

<プロ野球ドラフト会議>◇24日

高校通算48本塁打を誇る桐光学園(神奈川)の森駿太内野手(3年)が中日から3位指名を受けた。

待った。待つのは慣れているけれど待った。忘れもしない10・24の日付。部のホワイトボードにもはっきり書き入れていた。

「去年、関東大会で山梨学院に負けたのが10月24日だったんです。まさかドラフトが同じ日になるとは。これも運命ですかね」

少しだけ重く受け止めた理由があった。

「いい意味で期待しない、というか。選ばれる準備をしているんですけど、選ばれなくても落ち込まずに次に進めるように。センバツの時も選ばれる選ばれるって言われて、選ばれなかったっていう過去があるので」

神奈川1位として出場した関東大会でベスト4に残れず、それでも「関東・東京」に設けられたセンバツ出場枠6校に、入るチャンスがあった。その最有力候補とみられていたが、春の吉報は届かなかった。森には忘れられない光景がある。

「自分たちはセンバツに出場できないことが分かって、すぐにウオーミングアップに行ったんです。でも顧問の先生方はずっと部屋にいて。自分がそこへ先生方を呼びに行った時に、表現が難しいんですけど、すごくうなだれているような感じがして」

待つのは慣れている。でも今度こそは。10月の始めに森は「まだドラフト3週間あるんで、少しは気持ちに余裕もあるんですけど、いざその日になったら、どうなるんでしょうね」と話していた。

待って待って、その末につらい結果が待っていたあの冬の日から9カ月。今度は待って待って、森と桐光学園にまばゆい光が差し込んだ。【金子真仁】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【こんな人】中日3位の桐光学園・森駿太 待って待って吉報届かぬ冬から一転、待って待って歓喜