楽天森井球団社長(右)と写真に納まる明大・宗山(撮影・江口和貴)

仙さんの天の声に導かれ、超逸材のドラフト1位指名に成功した。楽天が5球団競合の末、大学NO・1野手の明大・宗山塁内野手(4年=広陵)の交渉権を獲得。大学生野手で5球団以上が競合するのは、6球団だった79年の岡田彰布内野手(早大)以来45年ぶり。宗山は1年目の目標に「開幕1軍と新人王」を掲げた。東京6大学リーグで通算100安打超を記録している安打製造機が、3年連続Bクラスに沈む楽天の希望の星になる。

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楽天が星野仙一元監督の天の声に後押しされ、宗山の交渉権を射止めた。西武、広島、日本ハム、ソフトバンクと今秋ドラフト会議で最多の5球団が競合。くじ引き役を務めた明大出身の楽天森井誠之球団社長(50)が、西武に続き2番目で抽選箱の前に立ち、迷わず右手を入れた。「1個目に触ったものが、もう全てご縁だと思いました」。当たりくじを引くと大きくガッツポーズ。三木新監督らと次々に握手を交わした。

森井社長はくじ引き役の緊張から、前夜は眠れなかったという。そんな時、明大出身の星野氏の姿が頭に浮かんだ。「星野監督のご縁があるかなと思い、夜寝る時に星野監督の言葉とかいろんなことを思い出しながら『明治でいい選手に行け』と言われてる気がしました」。験担ぎも万全だった。13年ドラフトで松井裕樹の交渉権を獲得した、当時の立花元社長がつけていたものと全く同じデザインの赤いネクタイを着用。ドラフト当日の朝は、明治つながりで明治神宮に参拝する念の入れようだった。

指名を受けた宗山は緊張感漂う記者会見場でもプレースタイルと同様、冷静だった。「なるべく平常心で」と5球団から次々に名前を呼ばれても表情は崩さない。ドラフト後には森井社長、石井SD、沖原スカウトが指名あいさつに訪れた。「自分をとても高く評価していただいて感謝していますし、これから期待に結果で応えられればなと思います」と活躍を誓った。

楽天の遊撃のレギュラーには今季139試合に出場した村林がいる。「積極的に話を聞きに行きたい」とライバルからも積極的に助言を求める姿勢。1年目は開幕1軍と新人王を見据え、ゆくゆくは首位打者が目標だ。神宮を沸かせた東京6大学のスターが、杜(もり)の都を席巻する。【山田愛斗、佐瀬百合子】

▽楽天三木監督 いろんな人の思いがね、いろいろこもったというか、素晴らしいドラフトになったと思います。(即戦力が多いが)チームを編成していく上でね、いろんな方の考えと思いがありますんで。僕だけの話じゃないですから。もう本当にいろんな話し合いのというか、兼ね合いの中でしっかり決断を下し、非常にいいドラフトでした。点数はつけません。素晴らしいドラフトでした。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ドラフト】楽天が宗山塁の交渉権獲得「1個目に触ったものが、もう全てご縁だと」森井球団社長