【ドラフト】中日井上新監督、まさかの「脱臼しました」4球団競合で関大・金丸引き当てたのに…
<プロ野球ドラフト会議>◇24日
中日井上一樹新監督(53)が特大のガッツポーズを決めた。中日がドラフト1位で関大・金丸夢斗投手(4年=神港橘)の交渉権を獲得。巨人、阪神、DeNAと今季のセ3強とのクジ対決を制した。2位にも即戦力左腕、西濃運輸・吉田聖弥投手(22=伊万里農林)を指名。育成含め8選手を指名できた初ドラフトを「満点です」と満面の笑みで終えた。
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まるで、サヨナラアーチを決めたようなガッツポーズだった。「交渉権確定」と書かれた当たりくじを振りかぶって投げつけるような、ド派手なパフォーマンス。巨人阿部監督、阪神藤川新監督、DeNA三浦監督と同一リーグ対決を制すと、球団関係者の座るテーブルへ、ベンチを指さすかのようなポーズで喜びを表現した。
「(左肩を)脱臼しました(笑い)。思い切りほんとに。まさか書いてないだろうなって思った瞬間に…。真っ白になりました。たぶん今までで、一番大きなガッツポーズをしたと思います」。中日に投手で入団し、野手に転向し、現役生活20年を中日一筋で過ごし、最高の喜びを、監督就任2週間で披露した。
夢のお告げも、幸運を呼び込んだ。10日の就任会見後に、ナゴヤ球場でのスカウト会議に出席し、「1位金丸」を確認。そして夢を見た。「下から2番目っていうお告げを(夢で)もらったような気がした。これは絶対、誰にも言わんでおこうと思って、ずっと黙ってましたから。絶対2番目、2番目、2番目って思って(抽選箱を)見ていた。当たった瞬間、すごく金丸君に対して縁を感じた」。この日は三つぞろえのダークグレーのスーツで初ドラフト会議に臨んだ。現役時代はピンクがトレードマーク。画面には映らない上着の裏地、ベストの背中はドラゴンズブルーをあしらった。秘めた決意の「青」も初仕事の100点満点で終えた。
ドラフトでは金丸を含め、即戦力投手2人、同捕手1人、高校生3人を指名した。「金丸君だけじゃなく、他の新しく取った選手たちを大事に、伸びる、鍛えるもそう。人間として形成的な部分でまだまだ未熟な選手もいるかもしれない。そこの部分でもコーチングをしなきゃいけないのかな」。新任指揮官として、ドラフト新人たちのチームの「父」としての責務へ気持ちを切り替えた。【伊東大介】
▽中日松永スカウト部長 1位(で金丸)が引けたのが一番。それプラス左即戦力(2位吉田)をもう1枚欲しいというのもあったんで、2つ取れたのがよかった。(即戦力)捕手も確保できた。高校生の投手も、将来の左右。5、6位も思い通りにいけた。120点じゃないですか。中村君とかも育成で取れたのでバランス良く取れたと思う。